池波正太郎「おれの足音」綱淵謙錠「越後太平記」 | mizusumashi-tei みずすまし亭通信
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池波正太郎:おれの足音 新聞切抜
綱淵謙錠:越後太平記 新聞切抜

池波正太郎「おれの足音」新聞切抜。1970年3月21~71年6月17日、東京新聞他で連載、挿絵は中一弥でいちばん脂がのっている頃のもの。大石内蔵助の青年期から描かれ、こうして漢(おとこ)になるのだという池波正太郎の教育小説で、よって巻頭はまず女子(おなご)を知るところから始まります。大らかに生きんとした古き良き時代の香りがしますね。綱淵謙錠「越後太平記(1979年7月~340回)」挿絵は東啓三郎。春陽文庫の時代小説の表紙などよく描いています。

東啓三郎は戦後時代もの挿絵画家の中堅ですが詳しいことは不明です。いずれ日本画を習った技(て)ですので、挿絵の系流に連なると思われます。(ご乱業で知られ)越後宰相といわれた徳川忠輝を角度を変えて描いています。考証を積み重ねた綱淵謙錠らしいひいき筋の作品です。暇をつくっては製本、自製ラベルを貼って楽しんでいます。未製本の切抜きを含めてまだまだあるのですね。新聞切抜小説の挿絵コレクションなど、蒐めてどうする?