ある日、一人で用賀の 『 南方美術店 』 へ出かけました。
ドアを入るなり、すぅーと引き込まれるように夕焼け色の硝子に見えた石の壺の前に行き、
「 綺麗 」 と言って、真ん中の机の上に置きました。
何度も何度も触りながら、眺めました。
それがエジプトで発掘された 4千年前の ” アラバスタ― ” だということを初めて知りま
した。
” アラバスタ― ” と いう言葉も知らなかった私です。
本来は白い石で雪花石膏ということを M さんから聞きました。
でも、私は夕焼け色だから妙に気になりました。
家へ帰っても、翌朝目覚めても、あの夕焼け色のアラバスタ―の神秘的な美しさを
どうしても忘れることができませんでした。
それで M さんにTELして、「 あのアラバスタ―の画像をスマホで簡単でいいから写真を
撮ってうちのパソコンに送ってもらえないかしら? 」 と頼みました。
M さんは 「 送らなくても、よく覚えているでしょう 」 と 笑いました。
そして後日、私はこのアラバスタ―を眺めて暮らすようになりました。
毎日、目にする度に 「 き ・ れ ・ い ! 」 と思い、満足しています。
10月の 『 目白コレクション 』 で、従来の白いアラバスタ― 灰皿のような形を初めて
目にしました。 ( よくある物ではないらしいですが ・・・・・ )
私は全く惹かれませんでした ・・・・。
あのアラバスタ―が本来の白だったら、私はこんなにも心惹かれることはなかっただろうと
思います。