12月10日に今年最後の 『 青草窠 (せいそうか) 』 へ昼食をいただいて来ました。
11月下旬に京都旅をした折、何の魅力もない 出汁のひき方から なっていない料理屋の
何とも言えない微妙な印象も引きずっていたので、綺麗さっぱりと 「 家庭で作れない料理 」
をいただきたかったのです。
先付は ” 鯛の昆布締めと花わさび ”
スキっと冷やした一品で、昆布締めのほのかな甘み と 花わさび菜のピリカラさが
美味しかったです。
続いて椀物は ” かに椀 ” 。 冬のスペシャリテです。
普通 ○○真薯(しんじょ) という時は、白身のすり身が8割を占めるような感じになると
思いますが、この ” かに椀 ” は違います。 すり身も真ん中に少しあるらしいのですが
見当たりません。(笑) とにかく かに かに かに です。
葛粉を付けているとはいえ、よく剥がれずに何層にも巻いていけるなぁ と 毎回感心して
しまいます。
そして、お出汁 がすごい この日の場合だと、後味で かに が勝つような ・・・・・
椀だねの背後に隠れるような出汁のひき方 というか ・・・ これがプロの仕事なのでは と
改めて感じる美味しい椀物でした。
” 寒ブリ おろしとセリ ” でしたが、寒ブリが苦手な私には脂っこくて家族の者に食べ
てもらいました。 京都の 『 O b a s e 』 では 炙ってあり様々な大根(黒大根など) で
巻いて美味しくいただけたんですが 残念
八寸は 相変わらずの美味しさです。 細かくしたお麩を衣にした揚物や、
かんぴょうの白和え、梅でほのかに煮含ませた人参など じんわりと広がっていく一皿。
さて メインは ” 柚子釜 甘鯛に生湯葉 ”。
外側の柚子の皮が焼いてあり香ばしさもプラスして、葛(くず)のとろみも温まる冬メニュー
古染付の網目浅鉢に盛られてきたのが この時期のこのお店の真価を発揮する絶品の
” 海老芋煮 ” です。 しかも この潔さ メインですよ。
海老芋を一度蒸してから、真ん中の良い部分のみを使い、薄味のお出汁で炊き上げる
そうです。
最近のくずし懐石のように 牛ヒレやフォアグラが出るわけじゃなく、あくまで野菜の旨味を
いかに引き出すか ・・・ という一見わかりにくい細かな仕事だと思います。
最後は ” 桜海老のかき揚げ ご飯 ”。 バリッと香ばしい食感のかき揚げに 塩を
入れていない薄めのお出汁をかけて天茶風に ・・・・・ 。 さすがです