第1章 レコード?オープンリール?カセットテープ? | 音楽をめぐる冒険(いかにして僕は音楽のとりことなったのか)

音楽をめぐる冒険(いかにして僕は音楽のとりことなったのか)

昭和の時代の音楽を巡るいろいろな話をしましょう。

母と祖母と愛車と

 

僕は1960年代に生まれました。音楽を再生するツールに想いを馳せると本当にありとあらゆるものを通して音を聴いてきました。レコードプレーヤー、オープンリールテープ、カセットテープ、CD. MD. DAT NTなんてのもあったな、そしてiPod 。最初はハードディスクプレーヤーだったiPod もメモリープレーヤーに進化し、やがて音楽はデータファイルとしてやりとるするようになった。ハイレゾ音源を購入しダウンロードしてパソコンやスマホで聴くといったように。僕らの世代は本当にいろいろなものを経験してきました。それは子供にとっても本当にわくわくすることで、新しいツールに出会った時の感動は今でも覚えています。あと思えば音楽はものすごく高価なものでした。僕が中学生当時のLPレコードの価格は¥2500 くらいだった。1970年代の子供にとって¥2500 なんて本当に大金で一生懸命にお小遣いを貯めてレコード店に行ったことを覚えてます。しかもそのレコードがどういう音を奏でるか、大体はわからず買うしかなかったりした。想像できます? 当時は今みたいにちょっと試聴して気に入ったものだけ買うなんて文化じゃなかったのです。お店の人に頼んでちょっとだけ試聴させてもらえるなんて時も無いではなかったけど、嫌な顔をされることもあるので子供にとっては勇気のいることだったのです。なんといってもレコードって針が溝をこすることで音がなる仕組みなので盤がその分擦り切れるなんて意識があった。そんな何度も試し聴きできるもんじゃなかったのです。だからジャケットをずっと凝視して買うか買わまいか悩むことの連続です。しまいには音楽を透視できるんじゃないかってくらいカバーを睨んで選びました。いわゆるジャケ買いというやつですね。そして買ったレコードを大事に抱いてバスに乗りうちに帰る。またレコードの大きさが本当に抱くような感じになるのです。そしてそそくさと帰ってレコード開封の義です。これがドキドキする。最近バイナルとか呼ばれることのあるレコードですが要するに開けた時に独特のビニールの匂いがするのです。これがたまらない。そしてプレーヤーにのせ丁寧に針を盤面に落とす時の心臓の高まり。緊張の瞬間です。そしていざ望みの音が鳴った時は本当にうれしかった。逆にあんまり好みの音楽じゃなかった時は落ち込みました。お金をドブに捨てたような気になったものです。大袈裟に感じるかもしれないけどそんな感じでした。また長くなってしまいましたね。レコードの話をするときりがないのでこの辺にして続きは次回に持ち越したいと思います。