『氷上の王、ジョン・カリー』監督が羽生結弦を絶賛する理由 | Il nome della rosa

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映画「氷上の王、ジョン・カリー」

https://www.uplink.co.jp/iceking/#intro

ずいぶん前にムビチケを購入しました。早く観に行きたいです。

 

 

 

「『ボヘミアン・ラプソディ』がヒットしたように、セクシュアリティの物語を社会が受け入れるようなったんだと思う」-『氷上の王、ジョン・カリー』監督インタビュー

2019-05-15

シネフィル編集部 @ cinefil編集部

 

アイススケートを芸術の領域にまで昇華させた伝説の英国人スケーター、ジョン・カリーを捉えた映画『氷上の王、ジョン・カリー』が5月31日(金)より、新宿ピカデリー、東劇、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国公開となります。

英・ガーディアン紙は「羽生結弦は、ジョン・カリーの優雅さと偉大さ思い出させる」と報道するなど、ジョン・カリーの華麗な演技は現在活躍する選手にも影響を与え続けています。

本作はアスリートとしてのカリーだけでなく、栄光の裏にあった深い孤独、自ら立ち上げたカンパニーでの新たな挑戦、そして彼を蝕んでゆく病魔AIDSとの闘いを、貴重なパフォーマンス映像と、本人、家族や友人、スケート関係者へのインタビューで明らかにしていきます。

2020年に東京五輪をひかえ、ホモフォビア(同性愛者に対する偏見)や性差別、人種差別は今なおスポーツ界で問題となっています。

今回、ロードレーサーのマルコ・パンターニを追った映画『パンターニ/海賊と呼ばれたサイクリスト』(2014)をはじめ、スポーツや芸術の感動の裏側に秘められた物語や社会・政治問題をテーマにしたドキュメンタリー作品を多く手掛けるジェイムス・エルスキン監督のインタビューを到着いたしました。

 

 

ジェイムス・エルスキン監督インタビュー

──映画『氷上の王、ジョン・カリー』を作る以前、監督はジョン・カリーについて、どの程度ご存知だったのですか?

 イギリスで彼は有名人ではあるけれど、活躍していたのが1970年代から80年代にかけてだから、僕の中では子供の頃の遠い記憶に埋もれていた。ある日、ガーディアン紙にジャーナリストのビル・ジョーンズによるジョン・カリーの伝記『Alone』の紹介記事が載っていて、彼がどれほど重要な人物か書いてあった。
それで、すぐその本を読んで「すごい話だ」と思い、版元に電話をかけて映画化の権利について問い合わせた。それが始まりだった。

 彼の演技をネットで5分見ただけでも感動したから、映画にしてもっと長い演技映像とともに、彼の人生を描けば多くの人の心に響くんじゃないかと、彼をもっと広く知らしめることができるんじゃないかと思ったんだ。

 

 

──1984年に国立代々木競技場の体育館で開催された「シンフォニー・オン・アイス」の映像も含まれていましたが、過去映像の調査には相当、時間がかかったそうですね。

 まず、彼の全パフォーマンスのリストを作ったんだ。彼のショーをプロデュースした、それこそ世界中の人たちに連絡した。日本、スイス、スカンジナビア、イギリス、アメリカ……。

それと、ジョンの兄のアンドリューが、3000枚近くもある膨大な写真を貸してくれた。

 

もう一つ、大きなカギになったのはジョンの手紙で、彼は偏執的なまでにほぼ毎日、誰かに宛てて手紙を書いていたんだ。彼の手書き文字を映像で使えたのと同時に、手紙は彼の声と心情を知る重要な情報源になった。

 

 

──この映画で深く掘り下げられているのは、「スポーツにおける男らしさとは何か」ということですね。プロスポーツの世界では、その手の話は今も曖昧な状態だと思いますか?

 “曖昧”以上のものだと思うね。ホモフォビア(同性愛者に対する偏見)や性差別、人種差別というものは、スポーツの世界では今も大きな問題だよ。

その中でもホモフォビアは関心が高い。
アートの世界では、多少人と違っていても大丈夫だけど、スポーツの世界では一般的な慣習に従うことを強いられる。
それに、芸術的な才能というのは大人になってから芽生えることが多いけど、スポーツの分野では、幼い頃からその道に進む傾向にあって、セクシュアリティについては、大人になるにつれて気付くようになるからね。

 僕がすごく気になったのは、ジョンが自分を社会に受け入れてもらうことを目指していたことだった。それはこの映画の最大のテーマだ。実際、彼は受け入れられ、金メダルを獲得して、メトロポリタン歌劇場で2万人の観客を動員し、天才と呼ばれた。
だけど、それでも彼は自分自身を認められないんだ。

 

 

──日本でも映画『ボヘミアン・ラプソディ』(日本公開2018年11月)が大ヒットしましたがエイズで早逝したイギリスの同時代アーティストを描いた映画が、時をほぼ同じくして公開されたことについてどう思いますか?

 セクシュアリティの物語を社会が受け入れるようなったんだと思う。ドキュメンタリーに限らず、ドラマでも多くなってきてるよね。
実話への関心が高まっていることが、僕には興味深い。映画は、ニュースを見るだけではできない感情移入が可能になる。
たとえ自分が主人公とまったく異なる人種、ジェンダー・アイデンティティーだったとしても、映画はその人の身になって感じることができる。

 

 

──日本でも人気の高いスケーターのジョニー・ウィアーは劇中で「カリーが僕を創った。ありのままでいられる僕を」と語っています。彼が映画の冒頭と終盤に登場する理由は?

 ジョンは1970~80年代に活躍した過去のスケーターだから、映画にはジョンから影響を受けた現在のスケーターを出したいと考えた。ジョニー・ウィアーのこれまでの発言を調べてから連絡を取って、なぜジョン・カリーの映画を作りたいか、その理由を伝えたんだ。

ジョンがアスリート兼アーティストとしてスケート界で成した功績は、世の人々の記憶にとどめておかれるべきことだとね。「ついては、ジョンが与えたインパクトについて、ぜひ映画の中で語ってほしい」とジョニーに頼んだ。

彼もジョンと同じく、ゲイである自分を表現するために、権力組織と闘ってきたスケーターだからね。彼が練習しているスケートリンクがあるアメリカのデラウェアまで撮影しに行った。彼はとても協力的で、滑っているシーンとインタビューに半日も時間を割いてくれた。

 

これは何かを成し遂げ、その努力を目撃する世界の目を変えた人間の話なんだ。とてつもない功績だよ。映画の中には盛り込めなかったけど、ジョニー・ウィアーがインタビューでこう言った。「自分の足跡を残すことは、世界で最も大変なことだ」。カリーはそれを成し遂げ、偉大なアートを作り上げたんだ。

 

 

──他に現在のアイススケート界で監督が惹かれるスケーターはいますか?

 例えば以前ガーディアン紙でも記事になっていた羽生結弦は、アスリートとして極めて優秀だし、アーティスティックな面でも卓越していると思う。
天才スポーツ選手でも、ジョンや羽生選手のような、観客が単純に「すごい」と感心するだけじゃなくて、見ていて共感を覚えるような魅力を兼ね備えた選手はなかなかいない。

 

 

──今後どんなプロジェクトが控えていますか。

 劇映画版のジョン・カリーのドラマが進行中で、脚本家がすでに決まった。彼の物語を別の視点から見せたいとずっと思っていた。というのも、彼の人生は別の方法で、別の観客に届けることができるはずだから。ジョンは魅力的だから、きっととんでもない映画になると思うよ。

 

 

http://cinefil.tokyo/_ct/17272955

 

劇映画版のジョン・カリーのドラマも進行中なんですね。

これも完成したら是非観に行きたいです。

誰がカリー氏を演じるのか?誰が吹き替えの演技をするのか(もしかしてジョニーとか???)

・・・今からとても気になっています。

良い映画になりますように。

 

 

 

 

 

 

 

『氷上の王、ジョン・カリー』監督が羽生結弦を絶賛する理由とは?

 

アスリートとして、アーティストとして

 

さて、エルスキン監督は「今、アイススケート界で惹かれるスケーター」に羽生結弦選手の名前を挙げている。

エルスキン監督は、英ガーディアン紙の記事で羽生選手のことを知ったという。「羽生はアスリートとして極めて優秀であり、アーティスティックな面で卓越しているとし、「カリーの優美さと偉大さをタイムリーに想起させた」と振り返っていた。

また、「天才スポーツ選手でも、カリーや羽生のような『 観客が単純にすごいと感心するだけではない、見ていて共感を覚えるような魅力を兼ね備えた選手』はなかなかいない」と話し、その優美さをたたえ、カリーさんとの強い親和性を明かした。

 

本作の劇中には「ジョン・カリーに影響を受けたスケーター」としてジョニー・ウィアーさんが登場する。ウィアーさんはアーティスティックな演技を高く評価されたことはもちろん、現役を引退後、羽生選手の衣装デザインを手がけたことでも有名だ。まさにカリーさんの系譜をつなぐ選手だといえよう。

https://spread-sports.jp/archives/26798

 

 

 

 

 

 

以前、うちのブログでもご紹介してますが

ガーディアン紙の記事とはこちらですね。

 

 

Yuzuru Hanyu offers timely reminder of John Curry’s grace and greatness

The guardian     Friday 4 December 2015

The Japanese figure skater’s record performance last weekend had the same effect on his audience as the game-changing displays of the late Englishman, who 40 years ago this month was making final preparations for his historic treble.

 

f you wanted to see a memorial to John Curry, it was provided by Yuzuru Hanyu in Nagoya last weekend. During the NHK Trophy, the penultimate event of the international championship season, the 20-year-old Japanese figure skater became the first man to record over 200 points in the free skate, and the first to top 300 overall. Above and beyond mere marks, however, Hanyu unfurled a long programme that fulfilled all the promises Curry had ever made about the potential of his sport to attain the condition of art.

全文はこちらから

https://www.theguardian.com/sport/blog/2015/dec/04/yuzuru-hanyu-john-curry-figure-skating?CMP=share_btn_tw

 

 

こちらの記事をシエナさんが翻訳してくださってます。

感謝してリンクさせていただきます。

http://ameblo.jp/sienna12/entry-12102871054.html#cbox

 

 

 

 

 

併せて読みたいギャラガーさんの記事。

 

Iwano confirms quad salchow for free skate next season 

The japantimes BY JACK GALLAGHER    MAY 23, 2017

 

(中略)

Curry honored: The late John Curry, the 1976 Olympic gold medalist, was recognized with a prestigious blue plaque, the Birmingham (England) Press reported last week.

 

A blue plaque is an oval sign installed in a public place in the United Kingdom to commemorate a link between that location and a famous person or event.

 

The Birmingham Civic Society gave the award in honor of Curry’s achievements. In a space of 40 days in 1976, Curry won the European, Olympic and world titles.

 

The idea was first proposed by actor and writer Tony Timberlake, the paper reported, who debuted a one-man play called “Looking For John” last year. The play is the latest instance of a much-deserved renewed interest in Curry’s career.

 

In 2015, a book on Curry’s life, “Alone: The Triumph and Tragedy of John Curry,” was released. Written by Bill Jones, the tome is an extraordinary piece of work and is highly recommended.

 

Curry was a true artist at a time when male skaters were discouraged from doing anything much beyond jumps and spins. Fellow Olympic gold medalist and world titlist Yuzuru Hanyu has been favorably compared to Curry in the past.

 

After Hanyu set a world record at the 2015 Grand Prix Final in Barcelona, Spain, the Guardian’s Richard Williams likened it to the magical night when Curry won the Olympic gold in Innsbruck, Austria.

 

“. . . Hanyu unfurled a long program that fulfilled all the promises Curry had ever made about the potential of his sport to attain the condition of art,” wrote Williams.

 

“The swiftness, the flow and the precision of the Japanese champion’s movements, in a program containing three quadruple jumps and seven triples, had the same effect on his audience as the Englishman’s game-changing displays of grace, poise and exquisite line,” Williams wrote. “And for both men, the beauty of their performance provided an elegant cloak to hide all the countless hours of hard work that had gone into the creation of such supreme athletic prowess.”

 

It’s a pity that Curry, who died in 1994, is not around to see Hanyu’s skating. He would have loved what the majestic Hanyu has done for his sport.

 

If Curry only could see Hanyu hydro-blading, doing Biellmann spins and Ina Bauers, not to mention the quads, I have no doubt he would say, “Bravo, Yuzu. Bravo.”

http://www.japantimes.co.jp/sports/2017/05/23/figure-skating/iwano-confirms-quad-salchow-free-skate-next-season/#.WSRbJndpORs

 

 

“Bravo, Yuzu. Bravo.”

私もカリー氏が存命ならきっとこう言っただろうと思います。

 

 

 

 

宮本賢二さん&町田樹さんが映画「氷上の王、ジョン・カリー」ジャパンプレミアに登場!

「ジョン・カリーは“ポラリス(北極星)”

https://www.tvguide.or.jp/feature/kissandcry/20190510/03.html

 

 

こちらはインスブルック五輪 FSの演技 ドンキ・ホーテ

John Curry 1976 Innsbruck Olympics LP

 

 

John Curry - Scheherazade 1980 (Professional Version)

このシェヘラザードは、ずっと観ていられます。

 

 

 

町田くんもカリー氏とは並々ならぬご縁がありますね。

唯一優勝したジュニアグリアンプリがカリー杯だなんて。そしてミルズ氏とのご縁。

羽生さんは、カリー氏が亡くなられた1994年に生まれ

カリー氏に影響を受けたウィルソン氏の振り付け、指導も受けている。

これも強い運命を感じます。

 

カリー氏のスピリッツは今も脈々とスケーター達に受け継がれています。