俳句にご興味のあるアメブロのみなさまに俳句の様々なことについてご紹介していく記事です
口語句集「花見」100句
はじめに
ふだんのしゃべり言葉(会話体)を基本にして詠んだ口語句集です。
春夏秋冬の作品100句を集めました。
ふだんしゃべるような言葉で俳句を詠むこと、また川柳との違いについて次のことを意識して取り組みました。
・季語、切れの活用
・四季折々の自然とその暮らしを詠む
・風情、格調、俳句理念など
・俗に片寄りすぎない
・詠嘆をして余情、余韻を生む、等々
こうした作品については、先人、先輩、若手の方々など一部の俳人のみなさんがすでに取り組みをすすめておられるようです。
そちらもご覧になってみてください。
今回は自分なりの作品をまとめました。
どう詠めば俳句で、どう詠めば川柳なのか、
また俳句と川柳が融合した形はあり得るのかなど、
創作を楽しみながら、試験的に行った取り組みをまとめたものです。
楽しんでご覧いただければ幸いです。
*作品はすべて既発表句です
*文語・口語の図を記事末に記しています
「花見」
100句
口語句作品集
花見して平和をしんじきっていた
じぶんまでふぶきだしたか花見酒
ちる桜真向かうほかにありません
しめ縄か十歩はなれておおざくら
そらをゆく春雲として立っていた
五重の塔鳩もすずめものどかです
来る傘はあなたでしたか春しぐれ
春炬燵ひとをおもえということか
朝はみなだまっていますしじみ汁
卒業かそらにおおきな伸びをして
うみからのかぜにふぶくか島花見
また来いよそらいちめんを帰る雁
春たちが憩っていますコーヒー店
春満月そうつぶやいてしまうほど
こころにもかぜをとおすか衣更え
ひこうき雲夏の行方を見るような
アイスティー氷も琥珀いろでした
嶺のせてすそはみどりか五月富士
登山とは空をあるくということか
さわぎだす木もれ日若葉風見えた
青葉木兎しみじみ耳にとどいたぞ
蛍の夜だれもさびしいひとでした
ここはどこここはふるさと昼寝覚
遠く鳴く山そのもののかっこうが
雲のみね地球はいのちそのものか
ただあおぐ生きかただった百日紅
沿いあるく波打ちぎわは秋でした
季節またかわりゆきます赤とんぼ
なみおとが暮れのこったか秋の浜
ただうみを見る八月となりました
伝統がすすみ行きます阿波おどり
きえるまで黙っています門火焚く
墓参り手あわせながら老いてきた
生きるとは灯ともすことか秋の暮
法隆寺ゆうぞらが身にしみてきた
かげばかりおどっています盆太鼓
盆の月この地もわるくありません
遠花火みじかいへいわ生きてきた
いつか又出かけましょうか遠花火
流灯がとおのくやみにあの世見た
じんせいの旅大すすきはらでした
日に月に飛ぶのでしょうか渡り鳥
後悔が暮れのこりますあきのくれ
都市ただのかげではないか秋夕焼
自転車がちりんと秋日暮れました
息子ひとりゆるされに来た秋の墓
出会うひとみらいにいます星月夜
吸いつくよひとさしゆびに露の玉
すずめ来て突つきのこすな大刈田
ありがとうございます栗毬のまま
見ています日ごとの空をわたり鳥
立ちつくす野も暮れました秋夕焼
コーヒーでふりかえります美術展
星と都市ともりだしたか秋のくれ
平和とはひとり旅ですあかとんぼ
カンナとは咲いた炎のようだった
秋の蝶しの字のかぜに舞いあがれ
ひとりでにみのるものです柿の秋
草絮吹く海がゆうばえだしたから
ひととして暮れのこったか秋遍路
瀬戸大橋海を照らすかほしづき夜
引く波とひとつこころの秋でした
摘み取るよあるきだすとき草の花
あきのくもつまり人生ではないか
戦争もにぎりこぶしも身にしみた
いつよりも都市灯ともすか大台風
しずかですこころのなかも秋の雨
大台風うず巻くほかになかったか
さいがいのまっただなかの朝顔だ
ちんもくのはじまり秋の傘さした
あかとんぼ人生かえりみちだった
渡り鳥さようなら過去さようなら
病気して生きたくなったいわし雲
葉落ちますぱちんぱちんと松手入
だまるほどおおきい月を旅に見た
ちんもくのながさです野の天の川
流れ星きっといつかのじぶんです
虫の闇となりのいえのひとも居た
流星群フェリーが灯り消したなら
見ていますちきゅうの夜を星月夜
天文台夜とひとつですあまのがわ
露の原ゆめからさめたようでした
鳴き行くよまぢかにみえて雁の列
ああすでに風の音してすすきはら
秋の暮日がさびしくてなりません
かみさまを揺りおこします秋神輿
そのあしであるいてゆくか七五三
こんなにもこころを吹くか木枯は
灯の闇に舞ってはきえてゆく雪だ
詣でるか明けにちかづく除夜の鐘
かしわ手の千も万もよはつもうで
かえりますかたくむすんで初御籤
神だなをのぞいてごらんおとし玉
わたしもかかたいつぼみの福寿草
幸ばかりのこして雪だるまとけた
冬の虹ゆるされたかのようでした
しずかさがきこえてくるか凍り滝
かおりますおなじ日なたの寒紅梅
寒夕焼はるかに自分見つめている
せんそうが止みますように冬の梅
〜終〜
▽俳句の読みくらべがしたい方はこちら▽
文語体・口語体・しゃべり言葉
川柳は平句。季語、切れ字、切れは常用せず、人情や滑稽さ、機知、風刺などをより突き詰めて「吐く」傾向があるそうです。
俳句は発句。季語、切れ字、切れを常用して、四季折々の自然とその暮らし、風雅さ、余情、詠嘆などをより突き詰めて「詠む」傾向があるそうです。
どちらも俳諧連歌から派生したものだそうですが、祖となる人やたどってきた歴史はそれぞれに異なるようです。
◇文語・口語の大まかな図
下記は、俳句における
文語・口語の大まかな図です
◇文語=文語体=古典語=古い時代の文体
◇口語=口語体=現代語=書き言葉
∟==話し言葉
◇仮名づかい 歴史的仮名遣い 現代仮名遣い
◇口語俳句の基礎基本・つくり方について
下記に簡潔にまとめました
◇生成AIの活用について
生成AIの活用については、自作作品に対する鑑賞、比較、意見を参考にしています(2024.02〜)
俳句の向上や学習目的のため、また利用過多にならないことを心がけて行っています
いま心にとめているもの
取り組んでいるものを挙げておきます
「表現の新と万象の真」「驚きと感動の詩」
「一新一真」「都市詠の探求」「一句新世界」
「ものごとの花」「沈黙の美」「内的宇宙」
「三物一句」「風情の継承」「平明深遠の詩」
いつも
ご覧いただき
ありがとうございます
*作品はnote、X、俳句てふてふに投稿したものです
*試験的な取り組みとその作品をまとめた記事です
*作品を追加しました
*解説について至らない点、充分に書き尽くせていない部分もあると思いますがご容赦ください
*俳句については個人・団体によって様々な考え方や見解があります
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