34冊目
「ガリレオの苦悩」
東野圭吾
文春文庫
- ガリレオの苦悩 (文春文庫)/文藝春秋
- ¥680
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“悪魔の手”と名のる人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。
そこには、連続殺人の犯行予告と、帝都大学准教授・湯川学を名指して挑発する文面が記されていた。
湯川を標的とする犯人の狙いは何か?
常識を超えた恐るべき殺人方法とは?
邪悪な犯罪者と天才物理学者の対決を圧倒的スケールで描く、大人気シリーズ第四弾。
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ガリレオシリーズの短編集です。
「落下る(おちる)」
「操縦る(あやつる)」
「密室る(とじる)」
「指標す(しめす)」
「攪乱す(みだす)」
の5編が収録されています。
「容疑者Xの献身」を読んだ後、ドラマも一回しか見てないので、久々の湯川先生でした。
そんな私が言うのもどうかとは思いますが、ドラマで登場した女性刑事・内海薫が、この作品から小説に逆輸入されています。
そう言えば、基本湯川と草薙の男二人しか出てこないので、華やかさに欠けてるっちゃ欠けてるんですよね、このシリーズ。
で、またこの内海刑事がとても優秀で。
もともと真面目で聡明な上に、男性が見落としがちな部分に目ざとく気付いて推理ができるひとなので、正直湯川の出番がだいぶ奪われている印象です。
というか、全体的に見て、「探偵ガリレオ」や「予知夢」の時よりも理系ミステリ度がだいぶ下がってやしませんかね。
前みたいな、読者を置き去りにするようなトリックがあんまりなかったような・・・
あっても、なんだか小ぶり感があるんですよね・・・
ちなみに、あらすじに書いてあるのは、「攪乱す」のストーリーなんですが、これはもっと頑張って膨らませたら長編でもいけるんじゃないかなぁ。
なんか、勿体ないような気も・・・。
個人的に好きだったのは「操縦す」でした。
トリックもさることながら、珍しく熱くなっている湯川先生が見所です。
感想はまだ書いてないですが「聖女の救済」は読んだので、次は「真夏の方程式」になりますね。
近所の古本屋に売ってはいるのですが、本棚スペースの都合もあるし、文庫化待ちかな。