32.「六蠱の躯 死相学探偵3」三津田信三 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

32冊目
「六蠱の躯  死相学探偵3」
三津田信三
角川ホラー文庫

六蠱の躯 死相学探偵3 (角川ホラー文庫)/角川書店(角川グループパブリッシング)
¥620
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志津香はマスコミに勤めるOL。


顔立ちは普通だが「美乳」の持ち主だ。


最近会社からの帰宅途中に、薄気味悪い視線を感じるようになった。


振り向いても、怪しい人は誰もいない。


折しも東京で猟奇殺人事件が立て続けにおきる。


被害者はどちらも女性だった。


帰り道で不安に駆られる志津香が見たものとは…?


死相学探偵弦矢俊一郎は、曲矢刑事からの依頼を受け、事件の裏にひそむ謎に迫る。



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死相学探偵シリーズ第3弾です。



先の2作に比べると、ホラー的な要素は少なめ。



本人にしか理解できない行動理念で殺人を犯す、正体不明のシリアルキラーに対する恐怖というか、薄気味の悪さみたいなものが全編通じて漂います。



シリーズものとして若干ブレがあるのかな、なんて思ってしまいますが、話に聞くところによると「刀城言耶シリーズ」も話によってミステリ寄りだったりホラー寄りだったりするらしいので、そういうのが三津田さんのスタイルなのかもしれません。



あと、俊一郎の「極度の人見知り」というパーソナリティーがあまり生かされてないような。



こういう、マイナスの特徴を、「だからこそ解決できた」みたいにする方が、物語としては収まりがよくなりそうなんだけど。



なんにせよ、仄めかされている黒幕へたどり着くまでにはまだまだ時間がかかりそうなので、次巻を楽しみに待ちたいと思います。