矛盾 | 町に出ず、書を読もう。

町に出ず、書を読もう。

物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

あるところに、盾と矛を売る楚人の商人がいました。






商人は、店頭に並ぶ商品を誉めて、こんなことを言っていました。





「この盾はとても堅いんだ。どんな矛でも貫けないよ」





またある時は、こう言いました。





「この矛はとても鋭いんだ。どんな盾でも貫けるよ」





ある日のこと。





盾の話、矛の話の双方を聞いていた客が、こう言いました。

















「最強の盾にしても、最強の矛にしても、こんな辺鄙な店に売ってるわけないだろ、常識的に考えて」