28.「悲鳴伝」西尾維新 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

28冊目
「悲鳴伝」
西尾維新
講談社ノベルズ



悲鳴伝 (講談社ノベルス)/講談社
¥1,365
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西尾維新史上、最長巨編――

西尾維新がはなつ、新たなる英雄譚。

地球の悲鳴が聞こえるか。



彼の名は空々空(そらからくう)。

どこにでもいない十三歳の少年。

風変わりな少女、剣藤犬个(けんどうけんか)が現れたとき、日常かもしれなかった彼の何かは終わりを告げた。


ひどく壮大で、途轍もなく荒唐無稽で、しかし意外とよく聞く物語は、そんな終わりを合図に幕を開ける。

人類を救うため巨悪に立ち向かう英雄は、果たして死ぬまで戦うことができるのか!?




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いやー、流石は西尾さんと言う感じです。



「どこにでもいない少年」のメンタリティーを含め、このストーリー設定を思い付いた時点で作者の勝ちだな、と思ってしまうほどの横綱相撲。



何を言ってもネタバレになりそうだし、次から次に起こる意外な展開を予備知識なしに味わってもらいたいので多くは語りません。



まあ、ひとつ惹句的なことを述べておくならば、




『未曽有の災害によって人類がその個体数を大幅に減らした世界。


特殊な才能を持つ少年・空々空がその才能を知覚したとき、彼に近しいもの(細かく言うと、家族と、通っていた中学校の構成員全員)は皆殺しにされた。


後戻りができないと悟った空々は、人類を守ることを目的とする組織に属し、巨悪を倒すために戦い始める!』




というような、どこかで聞いたことがあるような設定と言えなくもない物語が、本当はどのような形なのか、というのを楽しんでいただければな、と思います。




西尾作品ってのはクセがあって読む人を選びがちですが、この作品は初めて西尾作品を読む人にも案外イケるんじゃないかぁ。




多分ですけど・・・