58冊目
「豆腐小僧双六道中 おやすみ」
京極夏彦
角川書店
江戸末期。
甲州の裏街道を行く小悪党と鈍感男をトコトコトコと追いかける、あやしい概念(おばけ)がおりました。
大頭に襤褸笠を被り、意外や洒落た単衣を纏い、豆腐を載せた円いお盆を頑なに持つ、なんとも間抜けな面構えのこの小僧。
人呼んで――豆腐小僧と申します。
立派なお化けになるために、武者修行に旅立ちますが、次々起こる大騒動にいつのまにやら巻き込まれ、なんと小僧は――。
果たして小僧の運命や如何に。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「豆腐小僧双六道中 ふりだし」の続巻です。
話としてはそんなに繋がってはないのだけれど、登場人物は結構重複してるし、「ふりだし」で説明されていた『妖怪変化という概念に対する考察』も知ってた方が楽しめるかな、とは思います。
とはいえ、元々があやふやな話ではあるので、話半分で聞き流していても全く問題はないのですが。
まあとりあえず、最初から最後までメタメタな話でした。
そもそも、登場する人物(という表現がおかしければ「キャラクター」と言い換えてもいいですが)の半分以上が、実際には存在しない概念(おばけ)ですからね。
真っ当な結末なんて期待はしてませんでしたけど。
そういう意味では、妖怪初心者にはちょっと敷居が高いかも。
ある程度妖怪という概念について分かっている人であれば、面白いと思いますよ。