ここはどこなのか。俺は何をしていたんだ。
なんだか頭と体が重い。今まで夢をみていたような感じがする。
その場にしゃがみ込み、周りの様子を見た。
山の中腹あたりだろうか。山のふもとには大きな街が明るい光を放っている。
俺を呼ぶ声が頭に響く。この声はあいつだ。
少し思い出してきた。俺はエレトニア王国の聖騎士として強力な魔物と戦っていた。
それ以前の記憶はない。
魔物との戦いは激しく、つらいものだった。
大きなダメージを負っては命からがら逃げだし、装備を何者かに整えてもらった。
パーティのメンバーも何度も変わった。
途中で息絶えた仲間もいた。
そいつらのためにも、俺は戦った。
あいつは、いつも隣で俺を励まし、癒してくれた。
魔物を少しずつ倒していく。その都度、経験を積んだ。
体に力がにみなぎってくるのを感じた。とくぎも覚えた。
今もまだつかえるような気がする。
最後の記憶は、魔物のボスと対峙したころの記憶だ。
何度も、何度もボスに挑んだ。
だが、勝てなかった。
悔しかった俺は、経験を積んだ。
もっと、、、もっと強力な力を得ることができたら、、、。
力がみなぎる、あの感じを何度もこの身に宿したい。強くなりたい。
何度も何度も、敵をなぎ倒したつづけた。あいつも協力してくれた。
しかし、俺はいつからか強くなれなくなっていた。
敵を倒しても、経験を積んだ感覚がやってこない。
不安ではあった。でも頑張れた。あいつがいつも笑顔で励ましてくれたから。
ある日、目の前に男が、突然現れた。
どうやら、これから一緒に行動することになったらしい。
不思議と俺には抵抗する意思はなかった。
男は闘牛のような顔つきをしていた。
体格もよく、俺よりもはるかに大きな手には巨大な剣を持っていた。
旅をするときは鈍く光る巨大な剣を背中に背負い、敵が現れると、その豪剣を振るった。
敵を倒すと男はすさまじいスピードで成長した。
これなら、あのボスを倒すことができるかもしれない。
俺も、必死で協力した。すべては、あいつや散っていった友との約束を果たすために。
男が成長し、俺との戦力差がなくなった。
うれしかった。とくぎもたくさん教えた。
俺の使えない技も使えるようになった。
いよいよ明日、俺たちはボスに挑むことを約束し、早めの晩飯を食い、寝ることにした。
そして、目が覚め、気づくとここにいた。
何が起こったのかわからない。
誰かが近づいてくる。まばゆい光をはなつ、街が見える方角から一人。
「あんたもか。おれもそうなんだ。今はゆっくりと休むといい。さあ、街まで案内するよ」
「え、ちょ、ちょっと待ってくれ。お前は誰なんだ。俺は、これから魔物を倒しにいかなくては。エレトリア王国の騎士団長として、王の使命を果たし、世の中に平和を、、」
「あーはいはい。あんたはそういう設定だったのか。まあ、詳しい話はあとで聞いてやるとして、まずは休もう。街にいけばあたたかいスープもある。飲めば少しは落ち着くだろう。ちなみに俺の名前はハンター゛だった″ライルというものだ。よろしくな」
どういうことだ。言っていることがよくわからない。
そういえば、あいつは。仲間は。近くにまだいるかもしれない。
この男に聞くのも気が引けるが、しょうがない。
「なあ、あんた。ライル、、だっけか。近くに大きな男と女がいなかったか。ほかにも、似たような恰好をしたやつがいたはずだ」
「うーん、ここにはお前さんしかいなかったと思うなあ。ここまでくるうちにすれちがったやつもいないし。もしかしたら、先に街に行ってるかもしれねえぞ。送られてきたのが、そいつらの方がはえーのかもしれねえな」
男は笑って、手を差し伸べる。
ここにいてもしょうがない。まずはこの男の話を信じるしかないか。
こうして、おれは「「スクラップ・タウン」に足を踏み入れた。