《軸とともに歩むヨガの道》

—— いまの私と、これからの私のために記す記録 ——

ヨガを長く続けてきた私にとって、“軸”という言葉は常にそばにあった。しかし今ほど、その意味が深く、現実的に感じられている時期はない。

思い起こせば、アイアンガーヨガを始めた頃に習っていた先生が、よく「センター」という言葉を使って、ここでいう“軸”を説明してくれていたことを思い出す。当時は単に身体の中心として理解していたが、今になってその言葉の奥にあった深さが胸にひびく。

30年以上にわたり、私は立位・逆転・前後屈・ツイスト・呼吸法と、さまざまなアプローチを通してヨガを学んできた。その中で、外側の形や強さだけではなく「内側の静けさ」こそが軸を育てるという感覚が、年々揺るぎないものになってきた。

しかし、アシュタンガ・ヴィニヤーサの過練習によって腰椎を痛めた経験は、軸の捉え方をより深く、誠実な方向へ導いた。この経験が、私の身体にとって何が本当に必要かを教えてくれた。そして、体を守りながら自由に動くためには、「外側を固めるヨガ」から「内側の軸を育てるヨガ」へと進む必要があることを気づかせてくれた。

軸とは、力で作るものではなく、背骨の奥に静かに存在する“中心の空間”に気づくことから始まる。その空間に気づくと、身体は自然に伸び、呼吸は途切れず、動きがひとつにまとまってくる。これは努力による形の調整ではなく、内側から広がる調和に近い。

とくに今の私は、腰をねじらずに、体幹全体がひとつの軸として動くツイストを大切にしている。胸椎だけを回すといった高度な言い方ではなく、下腹部や腰部のあたりに意識を宿し(“下軸”と呼ぶこともある)、そこを静かに目覚めさせながら、背骨の中心線を感じて動くことで、身体が全体として調和していくツイストである。

腰椎は守り、強いねじりを避ける。そのために下軸がしっかりと働き、肋骨下部が自然に呼応するように動く。そして肩甲骨が固まらず、背面にふわりと“浮かんでいる”ような状態になると、胸まわりにも自由が生まれる。こうして体幹全体がひとつの流れとなり、無理のないツイストが可能になる。

これは私自身の身体にとって安全であるだけでなく、多くの生徒にとっても必要なアプローチだと感じている。現代人の多くは腰椎や骨盤周囲に負担を抱えているため、“強いねじり”ではなく“軸を育てながら全体で回るツイスト”のほうが、深さと安全性の両方を満たす。

ヨガの指導においても、ポーズの形や角度を追い求めるのではなく、呼吸が通る空間、方向性、そして内側の軸を感じる練習へと導いていきたい。身体を固めず、押しつけず、それぞれの身体の真実に寄り添いながら、静けさが広がる方向へ案内すること。それが私が目指すヨガであり、生徒にも伝えたいヨガである。

自分自身の探求としても、内側の軸を深め、呼吸が動きを導くヨガを続けていく。ツイストを入り口に、背骨全体の統合へと広がり、アサナからプラーナヤーマ、そして意識のより深い領域へと歩んでいきたい。

数年後の私がこの文章を読み返したとき、いまどこに立ち、どこへ向かおうとしていたのかを思い出せるように。そして生徒にとっては、私のレッスンの背景や方向性が自然と伝わるように。この記録が、私と生徒の両方にとっての道しるべとなりますように。