妻のために書いた祈りのことば | 家族の統合失調症に向き合った日々

家族の統合失調症に向き合った日々

何の変哲もなかった人生が、家族の統合失調症をきっかけに変わりました。この経験を、同じ悩みを抱え苦しんでいる方に届けたい一心で書いています。

こんにちは。

しんいちろうです。

 

 

ヨガの先生とヨガの仲間と、恐山へ行ったときこんなことを聞きました。

 

お経は死んだ人だけのものではないよ。

 

生きている私たちの心を供養するためにもあるんだよ。

 

 

 

統合失調症になった人の心もお経で供養できたら、妻の心ももとに戻るんだろうか・・・

 

統合失調症になった妻が実家へ戻り、療養から帰ってきたときは、もうわたしが知っている妻ではありませんでした。

 

 

 

妻が25歳のときにわたし達は出会いました。

 

社会人になりきれない妻は、いつもわたしに仕事のグチばかりこぼしていました。

 

 

男のわたしですから、女性のグチは正直「メンドくさいなぁ」なんて思うこともありました。

 

でも、今となってはグチでもいいからわたしに向かって話して欲しいと思います。

 

 

 

 

何を言っても返ってくる言葉はたった一言。

 

うん

 

そうだね

 

無味乾燥で表情もなく、目も虚ろなままに。

 

そんなときでも、わたしは妻に悲しい顔を向けず、微笑みかけました。

 

「真有ちゃん」と呼んで話しかける努力を続けました。

 

 

 

 

般若心経は、ふつうは仏壇の前で死んだ方の供養のために唱えます。

 

ヨガの先生は、生きる私たちのための智慧の言葉だと教えてくださいました。

 

 

 

わたしは般若心経を写経することにしました。

 

実は、わたしは字が自慢ではありませんが下手クソです。

 

手で書くことは全くしません。

 

書くときは字のキレイな妻にいつも代筆してもらっていました。

 

 

 

インターネットで写経の用紙をダウンロードしました。

 

筆ぺんで、ゆっくり一文字ずつ。

 

自己流の瞑想で精神を崩壊してしまった妻を想いながら。

 

あんなに好きだったヨガですらできなくなってしまった妻のために。

 

どうか妻が正しい道に戻ってきますように・・

 

祈る気持ちで心を込めて書きました。

 

 

 

書き終わって妻にお経を見せると、妻は涙を流しました。

 

純粋に感動する心が残っているんだと思いました。

 

妻の涙からわたしも希望を持つことができました。

 

回復への希望を。

 

 

 

 

今日のブログがご参考になれば幸いです。

しんいちろう

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