私が働いているインドネパール料理屋さん。

 
 
さまざまなランチメニューをご用意していますが、固定メニューの中に一つだけ『本日のオススメ日替わりカレー』があり、これがなかなかの人気!
 
開店前に出勤し、着替えのためのバックヤードへの道すがら通るキッチン。そこを覗くと、日替わりカレーの下ごしらえをしているので声をかける。
 
私『おはよ〜ナマステ〜!あ、今日はオクラ?』
 
ツンデレ寡黙シェフ(表情変えず、作業の手も止めず、私を見ることもなく)『イエース。(確実な日本語)😒』
 
はいはい、わかりました、相変わらず冷たいのね、基本。
 
ま、いつも通りですな。
 
歩き進めて奥へ行くと、
 
次に出会うのはタンドール窯担当の陽気なシェフ。
 
陽気なシェフ『ミッサコ サーーーン!オハヨーーーゴッザイマースぅ!!!ナマステェ〜😄 グッモーーーニーーン!!!サンチャイチャ??(ネパール語で元気??の意味) モゥライ デレイ クシラギョォ〜〜😘(同じくネパール語で私はとっても嬉しい!の意味)』
 
実際に食べられそうな勢いで挨拶してくれる。
 
私『あ、サンチャイチャ、サンチャイチャ👍今日もよろしく!😄👍❤️』
 
そして、この日替わりメニューをネパール人スタッフに日本語で書いてもらう活動に力を注いでいる毎日です!
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(どこか変?!?!笑)
 
そして、とある今週の日。
 
出勤すると奥でオーナーがバタバタしていて、サラダ用の野菜だけが山積みになっている。
 
いつもと様子が違うぞ???
 
キッチンを覗いても、グレービー(各種カレーの元となるソース類)を除いて、全然下ごしらえしている様子がない。。。
 
あれ??
 
私『今日の日替わりカレーは?他のカレーも出来てない??』
 
ツンデレ寡黙シェフは『材料、届イテナイネ〜。私、何モ 出来ナイ。』と腕を組んで調理台に寄っかかって携帯をいじっている。。。


奥では陽気なシェフがスマホで動画を見てゲラゲラ楽しそうに笑っている。

(基本的に彼らはスマホをいじるのが大好きだ。各国共通ですね!)
はい??
開店3分前ですけど??

カレー専門店なのに、開店直前にカレーが無い!という。。。

それでもなーんにもプレッシャーを感じていない彼ら🤣🤣🤣

ま、いっか❤︎

ここのお店で働き始めて彼らを観察していて思うのは
 
日本人の感覚からすると、『あららーーーこれ大丈夫??』とギリギリに感じることも、彼らの感覚では、どうとも思っていないこと。
 
最初はびっくりして
『えーーー?!?!それって大丈夫?!?』
と思うことばかりで
 
私の口癖は『えーーーーーほんと??いいの??それでいいの??大丈夫???』。
 
でも
彼らの口癖は『ダイジョーブ〜👍、問題ナイ。』
 
ほんと?
本気?
それ、いいの??
 
そんな想いで働いていても
 
実際。
 
これが、、、
 
何とかなっちゃうんです。
 
いや、
正しくは、何とかしちゃう。
 
そんなところに、彼らの魅力と生きる逞しさを感じます。
 
先日も残暑と言いたいぐらいの強い暑さが残る、10月に入ってからのこと。
 
開店準備中にドリンク氷専用の冷凍庫の扉の蝶番が割れて壊れてしまい、溶け出す氷たち。
 
『どうしようかなぁ〜今から業者さん呼ぶのはな〜😫』と思っていたら、
 
お店にあるお客様用のお箸(プラスチック製)をおもむろに手に取り、調理台のガスで溶かし始めるシェフ。
 
それを直手で練って、飴細工職人並みにジャストな部品を作り、完璧に彼ら自身の手で修理されてしまいました。
ナイス!!!🤩
 
『凄いね!!ラムロチャ!!!(ネパール語で凄い!とか素敵!という意味)』
と言うと
 
別に〜みたいな顔をされて淡々と持ち場に戻っている。逞しいわ〜😍
 
全てがきっちり決まっている安定感も素晴らしいけれど
 
私がここのお店で学んでいるのは
 
この不安定さから醸し出される『ヒラメキを生みだすエネルギー』。
 
安定感がないことが前提に繰り広げられる毎日に、
『安定感』縛りで生きてきた私は、
刺激を受ける楽し過ぎる日々です。
 
で、結局
営業時間までに食材は届かず
 
やむなく在庫の野菜たちを引っ張り出してきてフル回転で仕込み!そしてほうれん草を『本日のカレー』としてピックアップ。
 
気候が安定しない今の時期のほうれん草は貴重。
いつも仕入れ価格を気にしているのに、そんな高価素材を日替わりカレーの素材として使うなんて、
『相変わらずチャレンジャーやなーーー』と思いながら日本語習字をシェフに依頼。
 
はい、嫌がられましたが(笑)、
もう無理やり依頼。
 
でも、ノリノリで、頼んでいないほうれん草のイラストまで描いてくれてるよ〜
ウンウン、頑張ったね、ありがとう❤︎
 
 
さて。
 
お客様たち、びっくりしてましたよーーー
 
お客様『今の時期にほうれん草、ざく切りのやつ沢山入っててびっくり!』
ですよねーーーーたっぷりザク切りほうれん草が入ったカレー、見ていても美味しそう!
 
私『はい、今日のお客様はラッキーだと思います!ほうれん草めっちゃ入ってますから!』
 
 
で、私の賄い。
 
『本日の日替わりカレー』が、賄いとなる私。
 
素材が、珍しいほうれん草なら、、、
グレービー(カレーの素となるソース)もほうれん草(いわゆるサグカレー)にしてもらったら
 
ダブルサグ🌿🌿🌿(グレービーも素材もほうれん草)になって最幸なんじゃない???
 
見た目的にも
サグの緑、具材の緑、そこにチキンで
めっちゃいいんじゃない??
このヒラメキ、最幸じゃん??
 
いやいや、そもそも美味しいのは間違いない!
たまらなく美味しそう!
 
そう思って、
仕事終わり間際に『本日のほうれん草とチキンのカレーを、サグベースで作って欲しいんだ!緑いっぱいのカレーを作って欲しいんだ!』そうシェフに伝え、作ってもらっている間に急いで着替えを済ます。
 
 
作ってもらった賄いカレーが入ったテイクアウト用の保温ポットの中を見たら・・・
 
あら??
いつもと同じカレー???
緑じゃない??
 
確かにほうれん草は多いけど
グレービーがサグ(ほうれん草)じゃないね??
 
私『ダブルサグじゃない・・』
 
シェフ『??? misakoガ 言ッテル コト 分カラナイネーーー』
 
とクールに返された。
 
そっか。
伝わってなかったか。。。残念!
 
そう、
私たちは基本的に言葉が細かく通じない。
 
いや
 
通じているのか??
 
 
ネパール語を母国語とする、英語と日本語が苦手な彼らと
日本語を母国語とする、英語とネパール語が苦手な私。
 
例えば
『misako、昨日ハ バリ 二 行ク、3月。楽シイ?』
 
・・・。
 
今年の春にバリに行った時の話をしていたので、
多分
『今年3月にバリに行った時はどうだった?』
的な質問だと思うのですが、、、、
 
日々、こんな感じです!
 
もちろんこのカレーでも大丈夫だし、すっごく美味しいんだけど
 
コミュニケーションを深める目的でシェフに伝える。
 
『このカレーももちろん美味しい!いつも大好き!ありがとう!
でも
私は今日は
 
珍しく『本日のカレー』がほうれん草だったから、 それと
 
いつものサグカレー(ほうれん草ペーストカレー)を一緒にしたらすごく嬉しいって思ったの!』
 
と伝え、どうしてもこうして食べたかったんだとアピール。
 
ツンデレクールなシェフが固い顔をして聞いていたけど
これもコミュニケーションの一つだと思って、一生懸命伝えて
 
『まあ、そもそも私はあなたが作るカレーはなんでも好きなんだけど、こういうカレーが食べたかったんだ〜』と。
 
そしたら
 
彼『misako、オ願イシマス』と手を差し出す。
 
ほい???
キョトンとしていたら
 
繰り返して
『misako、オ願イシマス』と手を差し出す。
 
あ、
すでに作ってくれたカレーが入った持ち帰り用のポット??
 
 
渡したら
中のカレーをもう一度調理フライパンに戻して温め始め
サグカレーのペーストを入れて作り直してくれている!
 
追加スパイスなどで味見をし、ちっちゃなスプーンでグレービーをすくい、私に味見をするように促し『これでどう??』的な顔をしている。
 
味見したら・・・
めっちゃ美味しい!!!
 
私『すっごく美味しい!Great! Nice! デレイミトチャ!(ネパール語ですっごく美味しい!の意味)』
 
彼は、『だろうな』的なフッと鼻から息を出すような表情をして、
あらためて持ち帰り用のポットにカレーを入れてくれた。
 
 
あーーーーありがとう!
 
『やったーーーーっ!
美味しい!
ありがとう!!!』
 
と伝え、味見をして至福の表情をしていたら、
 
ツンデレシェフが
『俺タチ ニ アリガトウ、イラナイネーーー
フッチュウ(普通) ノ コト ネーー
アリガト ハ イラナイーーー』と言って『ごめんごめん』的なハグしてくれた・・・・おおー珍しいね!

その、ダブルサグカレーはこちら。

 
毎日の生活の中で
ちょっとした小さなこと。
 
 
他の人からしたら
『どーでも良くない?』
 
もしくは、
一般的に
『◯◯は●●であるべきだよね?』
 
に感じるかもしれない小さな違和感と、そこに対する自分自身のヒラメキ。
 
 
それを大切にしていったら、毎日の瞬間瞬間が幸せになるし、それが最終的な人生の幸せにつながっていくのでは?
 
忙しい毎日では、その違和感をついつい流しがちですが
 
時には、それを素直に、相手に伝えたらどうでしょう?
 
 
曖昧な表情で、曖昧な感想を伝えても、、、、
 
面白くないですよね???
 
瞬時で感じる
『あ、これって!!!』
という感覚は、生きている証しの感覚。
 
そのリアルな感覚を、そのままに共有するからこそ、相手との深い部分での繋がりが出来るのでは?
 
本能の感覚で『おかしい?』と思ったらそれを伝え
本能の感覚で『なんて素敵なの!!!』と思ったら、それを伝える。
 
そういったシンプルな感情の中で生きたい。
 
あらためてそう感じたスタッフたちとのやりとりでした。
 
そんな感覚は先週末のイベントでも沢山感じ
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全ての物事に関して、自然に流れるままに寄り添う大切さを感じている毎日です。
 
 
昨日は術後の定期CT検査。
 
勤務前に病院へ行き採血してもらい、
カレー屋さんに戻ってランチタイム勤務。
 
そしていつもはテイクアウトする賄いをお店で食べてから、再度病院へ向かうスケジュール。
 
『今日はお店でご飯食べてくよ〜』
と言ったら、なんかみんな喜んでくれてる・・・賄い食べスペースにみんな集まって来てくれて。。。嬉しいなあ。。。
 
せっかくお店で食べていくので
いつのもカレーではなくタンドール窯で焼きたてのものが食べたい!と
 
窯担当の陽気なシェフに『シークカバブ(ミンチ肉のスパイシーな焼きもの)と山盛りサラダが食べたいなーーーー』と伝える。
 
香味野菜&スパイス大好きな私の嗜好を熟知している彼が、
 

通常のシークカバブのスパイシーに仕込んだミンチ肉に、まるで魔女のごとく色々なスパイスを追加投入し、さらに成形したお肉に刻んだ香味野菜をたっぷりまぶし付けて焼いてくれた〜美味しい!!!😍😍😍

 

『デレイ ミトチャ!(ネパール語で、すっごく美味しい!の意味) 何のスパイスを追加したの??』

 

シェフ『ヒミッチュ デェ〜〜〜ッス!😎』ってww

秘密だろうけど、後でしっかり聞くからね!
 

前出の『フッチュウ(普通)』しかり、
『ヒミッチュ(秘密)』しかり、

ネパール語の発音ではタ行は難しいのかしら??

日本人にとって『ッ(小さいツ)』で終わるネパール語の発音が難しいように。。。

怒涛のランチタイム時間が終わった店内でみんなでランチ。
 
来日した彼らの友人からの差し入れお菓子もつまんだりして。
 
家族同士で笑い合いながら、ふざけて取っ組みあっている彼らを見ていると、すごく幸せな気持ちになる。
 
シンプルが一番。
 
『これって伝えるの面倒だなーー』と思っても
それを伝えないことでしばらくの間うじうじしているより
しっかり本当のことを伝える方が、とってもシンプルで心地良い。
 
素直に感じたことを
素直に伝えること。
 
とっても大事。
 
斜に構えず
素直に
シンプルに。
 
 
物事は
案外
シンプル。
 
素直に感じて、シンプルに。
 

 misako