今日は、ちょっと変則的なお話です。

聞いてやってくださいな。

人は死して、この世からあの世へ旅立つ。


この世には、華やかな喜びの瞬間もあれば、辛く悲しい時もある。

それでも人は、日々を懸命に生きている。

そして寿命を迎え、あの世へと昇っていく。

あの世は、苦しみのない安らぎの世界。

時に地上を見下ろし、
あくせく動く人間を、のんびり眺めることもできるだろう。



―そして私たちは、
あの世とこの世の真ん中に入り込んでしまった。

あの日から。

名付けて「その世」

その世は、逆縁を経験した人や、
最愛の人を亡くした人が足を踏み入れる世界。

そこでは、心の底から喜ぶことも、感動することもない。

ただ黙々と日々を繰り返し、
あの世への道を歩んでいくだけ。

まさか自分に限って、
こんなことになるなんて、

誰も思ってはいなかった。

そして、
「その世」から「この世」に、
戻って来ることはできるのかしら?