コメの声「たべないの?」小さな半分欠けた米粒の声だった。僕は弁当箱を仕舞おうとしていた。声を無視してフタを閉める。何だこの罪悪感。無駄な罪悪感。声は耳から聞こえていない。それは明らかだ。分かってる。分かっているのだけど、言葉がそこにある。気づくと僕に届いている。結局、一度しまった弁当箱をまた開けて、半粒のコメを食べた。