潭陽へ
光州についた当日、まずは民主墓地を見学し、民主化運動の原点の場所に立ったことで、いろいろと考えさせられることがありました。その夜は、車で光州の北側に位置し、竹林の美しいことで有名な潭陽で夕食をいただきました。初日から心もお腹も満たされたのです。
潭陽でもいろいろ食堂がある中、知人の案内で韓定食店 黄金の松(황금소남)という店に入りました。街から少し離れた閑静な場所にある食堂で、店の前には枝ぶりのいい松が植えられた風格のある構えでした。
韓定食の名店「黄金の松」外観
떡갈비
この店は떡갈비(トッカルビ)主体の上品な韓定食を提供する店として有名なようです。떡갈비とは、本来、宮中で国王が楽しんだ高級料理です。牛肉を細かく刻んで、餅(떡)のような形に固めて料理ことから떡갈비の名があります。 갈비自体がいくら美味だと言っても、国王が直接骨付きカルビに食らいつくのは体面にかかわるので、떡갈비が考案されたという説もあるようです(真偽不明)。かつては宮中飲食であったものが、最近ではそのお手軽さから、子供達のおやつや弁当のおかずにもなっているようです。まあ韓国式ハンバーグと思えばいいでしょう。
また떡갈비が地域の郷土飲食になっている地域があります。京畿道広州(광주)と楊州(양주)、全羅南道和順(화순)と、黄金の松のある潭陽(담양)です。全羅道は朝鮮時代には済州島同様、中央の政争に敗れた両班たちの配流先でもありました。この宮廷の香りのする高級飲食が全羅道に伝えられたのも、流罪になった両班によってだと言われています。その全羅道の떡갈비の中でも潭陽の떡갈비は名物であり、アバラ周辺の肉以外は使わず、格調高い味を保っていることで人気があるようです。
韓定食
韓定食を頼むといろいろなキムチやサラダや野菜の煮つけやいしもち(굴비)の焼魚などたくさんのおかずがでてきます。さすが全羅道だけあって上品。キムチも非常にこくがあります。このようなおいしい料理を水でいただくのももったいないので、焼酎を注文します。韓国焼酎というと참이슬と思う人があるかと思いますが、焼酎にも地域別の銘柄があります。全羅道地域は잎새주(イプセジュ )がいわば地域ブランドです。잎새주とは木の葉の酒という意味です。まよわず잎새주を注文しました。
全羅道焼酎 잎새주
まろやかな味の焼酎でいろいろキムチなどを楽しんでいると、メイン料理の떡갈비が出てきました。箸でハンバーグのような塊を割って口の中に入れると、中身は芳醇な肉汁に包まれていました。味もハンバーグみたいですが、肉の味と香りが半端ではなく宮廷文化の一端に触れたような気になりました。またゆっくりしたいところです。
韓定食の主役 떡갈비 韓国式高級ハンバーグ
追記:光州のグルメについては以下の記事もあります。ご覧いただければ幸いです。
https://ameblo.jp/yoa1003/entry-12464566094.html
テジカルビ、冷麺と韓国焼酎 至高の‘肉料理2 ー絶品 美食の都光州(その3) ー
https://ameblo.jp/yoa1003/entry-12455313966.html
スケソウダラの干物の煮付 至高の魚料理 ー絶品 美食の都光州(1)ー
https://ameblo.jp/yoa1003/entry-12452175465.html