チチが5年前の9月にハハと僕を置いて出て行ってしまう前の話をもう少ししておこうと思う。
この頃ハハは東京を離れ実家に帰り、ハハの父親に頼るつもりでいたようだった。その話は結局は流れてしまったけど。
前のブログにも書いたがチチとハハが別れることで一番のネックになるのは僕の存在だった。
ハハの実家に帰ってもハハの父親は内犬にすることを嫌がった。
犬は外で飼うもの、室内飼いなんてとんでもない!みたいな。
生まれた時から室内飼いしか経験していない僕、それも小さな身体の僕からしてみれば、いきなり外犬になるなんてとんでもない!とハハは譲らず。
そういうこともあってハハの父親とは話し合いがつかずにいた。
一方、チチはといえば…。
僕の母親と妹が飼われてる知人宅に預けられないかと画策していたようだった。
預けると言うよりは貰われていく、なんだけどね。
そこなら室内飼いだし飼い主のとこの奥さんは専業主婦でちゃんとお世話して貰えそうだし、僕の母親や妹がいるから寂しくないよということで、チチはそれが僕にとって一番いいと思っていたよう。
でも、その話も結局は流れてしまった。
どんな理由だったかはもう覚えてないが最終的には『預かりたいのは山々だけどうちではちょっと無理だなぁ』と言われたようだった。
こうやって書くと僕が当時のチチやハハにとって如何にお荷物だったかがよく分かる。
僕は大好きなチチやハハと離れ離れになってしまうのではないか?と何となく嫌な予感がしていたので、この頃は寝る時も常にハハにピッタリくっついて寝ていたよ。
真夏でクソ暑いにも関わらず。
当時の僕は『ハハ!何処にも行かないで!』的なことを思っていたんじゃないかな?その時のチチはもう殆ど帰らなくなっていたしね。
そしていよいよ運命のあの日がやってきたんだ。
ある日の夜、チチがいきなり大きなカバンに荷物を纏め始めたんだ。家を出て行くと言いながら。
なんやらよう分からんけど荷物を纏めるのをハハも進んで手伝っていた。ここでもハハは理解ある妻を演じていたように思うよ。
それまでチチとハハは直接でもメールでも散々話し合ってはハハは泣いてばかりいたんだよ?それなのにね。
別れよう、いや別れたくないと日々葛藤してね。
そんなハハを慰めるのはいつも僕の役割だったね。
でもそんなハハと僕を残してチチは出て行ってしまったんだ。
それはチチが亡くなる5ヶ月前くらいのことだった。
続く。