もう間もなく、夫が亡くなってから丸5年を迎える。
寒さが厳しくなると嫌でも思い出す当時のイロイロ。
今回、そんなイロイロを、我が愛しの坊ちゃん(ミニチュアダックス17歳♂)目線で綴ってみようと思った。
当然の事ながら坊ちゃんが話せる訳では無いので、あくまで私から見た当時の坊ちゃんの変化から読み取ったもの。
少し長くなるかもしれないのでシリーズでお伝えしようと思う。
先ずは登場人物のご紹介から。
僕:坊ちゃん(ミニチュアダックス当時12歳♂)
ハハ:これの執筆者である私
チチ:亡くなった夫
それではどうぞ。
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あれは5年以上前の梅雨時のことだった。
ハハはそれよりもずーっと前からなんやよう知らんけど病気になり、身体が常に痛い痛いということで殆ど何処にも出掛けなくなり、と同時に僕の散歩にも連れてってくれなくなり家にずーっと引きこもっていた。
僕としては四六時中ハハと一緒にいられるので寂しくはなかったけど、身体が常に辛そうなハハと、いつも不機嫌そうなチチとのあいだに挟まれ、尚且つ大好きな散歩にも行けなくなったことにより我が家はいつもドヨーンとしていた。
それでも、子はかすがいならぬ僕がかすがいとなって、なんとかチチとハハの関係も崩れずにいたように思う。
でもそれもお互いが色んなことを我慢して成り立ってたようなもの。いずれ分かるがチチとハハとの関係はとても脆いものになっていた。
そういうのもあって、3人…もとい2人と1匹の日常はどうにか回っていたように思う。
話を5年以上前の梅雨時に戻して…。
この頃のチチは常に具合い悪そうにしていた。
難しい話は僕には分からないけど、どうやら心臓というところを悪くしているようだった。
病院嫌いなチチが堪らず病院に行ったくらいだからよほど体調が悪かったのだろう。
そんなチチを見てハハは頻繁に
ハハ『チチがこうなってしまったのはずーっと心労をかけ続けた私のせいだ。チチ、本当にごめんなさい。こんな私なんていなくなってしまえば良かったんだ』
と、見ていられないくらいにハハはチチに泣きながら謝っていた。
チチはその度に『ハハは何も悪くない、悪くないんだよ…』と声を振り絞るように呟いていた。
同時にチチは、糖尿病という病気の数値もかなり悪くなっていたみたいで、これもまたあとで分かることなんだけども、チチは糖尿病性神経障害性疼痛にも悩まされていた。
この頃の我が家の雰囲気は、ハハが病気になる以前の仲睦まじい雰囲気からは信じられないほど最悪で、僕はどちらの味方も出来ずにオロオロするばかり。
チチのこともハハのこともどちらも大好きだったのでどちらか一方の味方をするなんて出来なかったんだ。
チチは身体が辛いながらも頑張って仕事に行っていた。
『俺が行かないと他の人が大変だから』と、チチは口癖のように言っていた。
この頃のハハがチチに向けてよく言っていたのは
ハハ『本当に倒れてしまってからでは余計に迷惑がかかるのよ?』
だった。
それでもチチは、仕事をする時間をセーブしてなんとか仕事には行っていた。
でもこれには裏があったんだ…。
続く。