今、話題のご当地サーモンについて | 加藤雅彦のブログ

加藤雅彦のブログ

現在、六次産業化プランナーとして各地を回ってます。主に水産業の販促やブランディング戦略等を生産者の皆様と行っています!
メディア等にも色々と登場させて頂いたお話等をご紹介させて頂ければと思いブログを始めました。

広がるご当地サーモン 最新MAP/コロナ禍、生産・販売に試行錯誤 / みなと新聞 電子版

全国に拡がるご当地サーモンですが・・・

養殖する場所、育て方により様々な特徴があります。

 

まず、どこで育てるか?

大きく分けて2つあります。

 

一つ目は海で養殖する海面養殖と言われるやり方です。

二つ目は陸上で養殖する陸上養殖です。

 

なんでもそうですが一長一短があるのは当然ですね。

 

それではそれぞれの長所と短所を簡単に説明します。

これを知っていると店頭でサーモンを選ぶ時に

納得して選べると思いますので

知っておいて頂ければと思います。

 

まず、海面養殖の場合ですが・・・

長所としては海で養殖する為

低コストで育てる事が出来るというのが

最大のメリットです。

 

それでは短所は?

最大の短所は自然環境の中で育てる為

多くの事をコントロール出来ない事にあります。

 

一般的にサーモンは水温が18℃になると

生息出来ないと言われます。

 

海水温18℃と言えば5月くらいなると

この温度を超えてしまいます。

 

また、海面養殖の場合、稚魚を陸上で育て

それを12月くらいの時期に生け簀へ移動し

海で成長させる畜養として行います。

なので、海面養殖のサーモンの出荷時期は3月~5月初旬となります。

だから養殖場の場所により時期は前後します。

 

それと海面養殖の場合アニサキス対策が必要です。

アニサキスは海中に生息するアミエビに寄生しており

そのアミエビを食べる事で魚に寄生します。

 

だから天然の鮭・鱒類は生で食べる事が出来ないのです。

 

でも、養殖場にもアミエビが生息している可能性は高い。

それを食べてしまうと養殖サーモンでも

アニサキスが寄生する可能性が出ますよね?

 

それを防ぐため抗生物質等を投与します。

これはアニサキスだけでなく様々な病気を防ぐためでもあります。

 

ノルウェーやチリのサーモンが薬漬けと言われる事があるのも

こうした事が一因です。

 

一方、陸上で養殖する場合はそのやり方は様々で

昔から行われているのニジマス養殖の様に山間部の

川の水を利用したり、海水や地下水を利用したりと様々です。

その為アニサキスのリスクはありませんが

病気のリスクはあるので薬品はやはり避けられません。

 

こうした陸上での養殖の場合は小規模な養殖場がほとんどです。

これらも比較的抵コストで育てる事が出来ますが

出荷量も少量しか出せません。

 

これではノルウェーサーモンの様に一年中

商品供給が出来ませんよね?

 

そこで近年では

大規模な循環濾過養殖施設が作られる様になりました。

これらの施設では水温や酸素量、水質などを全てコントロールします。

なので、一年中高品質のサーモンを供給する事が可能なんです。

これは飲食店チェーン等からするととても大きなメリットとなります。

 

しかし、なんでもメリットとデメリットは存在します。

 

この施設のデメリットはコストです。

 

まず一つ目はイニシャルコスト(初期投資)が莫大であることです。

して二つ目がランニングコスト(運転費用)が高い事です。

 

酸素供給と水温調節の為の電気代は小規模の養殖場では

ほとんど必要ありません。

 

しかし前回も触れましたが水産資源の減少、海水温上昇などを

考えればこうしたシステムが今後の養殖事業の中心になると思います。

 

現在、自分もこのシステムで生産されたサーモンの販売に関わらせて頂いておりますが

非常に評判も良く喜んで頂いております。

 

 

ご質問やお問い合わせはコメント欄に頂ければ結構です。