もともと宗教にとって教祖の偶像を拝むということはありませんでした。イスラムやユダヤ教もモーゼにより偶像崇拝を禁止されたことはよく知られています。
しかし布教がすすみ大衆化されてくると教義や経典を表現し、それがよく理解されることが求められるようになりました。
宗教に神聖さ、荘厳さ、華麗さなどの形をともない美をともなうことが要請されました。こうした要請を教祖に変わるシンボルとして、像や絵画や彫刻物が発展していったと考えられます。これが仏像の始まりです。
釈迦の死後500年がたって、仏教の歴史と人々の思いを包みこんで、史上初めての仏像がパキスタンのガンダーラとインドのマトゥーラにほぼ同時に建てられました。その後、仏師や芸術家が像をつぎつぎと作り上げていったのです。
(参考)現存する日本最古の仏像と思われる法隆寺の釈迦三尊像
1、釈迦生誕の地
紀元前463年――ネパール・ルンビニ
2、悟りの地
釈迦35歳――インドブッタガヤ
3、初説法の地
仲間と修業した地――インド・サルナート
4、終焉の地
釈迦80歳――インド・クシナガラ
5、最初の仏像
4~5世紀――ガンダーラ(印)とマトゥーラ(パ)