2023年12月
「ねじまき鳥クロニクル」を
鑑賞した感想です
2020年 初演(コロナ禍で中断)
2023年 再演
原作は⬇村上春樹氏の三部構成長編小説
2部は都合上割愛
村上春樹作品は、
スーっと読み進めやすいですが
内容はとても深く難解です
多用される比喩に気を取られ
不思議な物語だと、本質の理解に
10代20代は近づけなかった
それから20年
苦しみ、怒り、悲しみが、側にあり
心を見つめた30代40代。感情について
思考した期間を経て作品を再読したら
核のようなものに近づけた気もします
ねじまき鳥クロニクル未読の方へ
STORY表層を簡単まとめ⬇
主人公は失業保険で主夫生活を送る
岡田トオル
飼っていた猫が消えたあと
突然妻クミコが失踪する
これにクミコの実兄綿谷ノボル
が鍵を握っているようだ
クミコー捜索の中で様々な人と関わり
隠された謎を解き明かしながら
悪の根源と闘う
STORYの深層は⬇
主人公の岡田トオルと
敵対する綿矢ノボルは
人の心の無意識の領域=潜在意識
に干渉する能力がある
一方は、人を癒し
一方は、人を壊す
しかしその能力は
紙一重であり…
原作の言葉を引用すると
「Aであるけれど、或いはBであるのかもしれない」
深く思考する事が好きな方は、是非に
思考が追いつかず消化不良をおこすかも
舞台感想
原作作品が舞台化される場合、観点は
世界観をどう表現したか?
原作のリアリティは出せたか?
で、よって演出に、注目します。その、演出・振付・舞台美術には、衝撃を受けました‼
そもそも、村上春樹氏は、
比喩を多用し独特の言い回しをします
抽象的で、長い長い言葉を紡ぐ為
物語はどこまでも壮大に広がります
その広がりの中に
表現したい もの があるのですが
どんなに言葉を紡いでも的確に表現する
それが難しい
それを、演出家
インバル・ピントとアミールはダンサーの動きにより一瞬で観客に認識させます
村上作品では、次元は変化し
過去は現在に混じり肉体と心は分離する
そんな、ねじまき鳥の世界観を
理解して演出表現した、素晴らしさ
不思議な舞台装置、ダンサーを使った演出
主人公を2人で表現する斬新さ
ただ、人は呼べても力量不足な俳優やアイドルがプロの声楽家、舞踏家、バレエダンサー
元歌劇団俳優と並んでますけど
元宝塚花組音くり寿さんの宝塚仕込の歌唱力と、あの首藤さん(元東京バレエ団)と対等に踊れるバレエの場面は、作品を確実に引き上げたのでここで元が取れましたが
舞台終了後のトークは引いた(´-`).。oO
お客様を前にした女優のもの言い態度…
礼儀作法を身につけている元宝塚女優の
美しい所作や言葉遣いと雲泥の差
「ないわ~」と感じましたし、音くりちゃんの戸惑いがわかっとしまいました