無庵日録 (1028) (続) バッハと私② | 日々新面目あるへし

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ブログを続ける指針に、会津八一の書「学規」に学びたい。
 一、この生を深く愛すへし
 一、かえりみて己を知るへし
 一、学藝を以って性を養うへし
 一、日々新面目あるへし

2023/12/15

 書架に久しく「頭がよくなる思想入門/新野哲也」という著書が23年前に発行されている。ある日の書店で目が止り、こういう本は読む気がしない一体何が書いてあるのかと巻末のあとがきを見て読んでみようと思った記憶がある。

 

 あとがきに「真剣とは何か、ときどき動物園にゆく。動物たちの目は切なくなるほど真剣だ。静かだが一部のスキもなく、ひっそりと野生の魂を宿している。真剣とは余計なものがそぎ落された意志そのものかもしれない」

 

 その頃はクラシック音楽をよく聴いていた。ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲、モーツアルトのハイドンセット、マーラーの交響曲、等々を思い出す。自分の流儀で何度も繰返し聴くうちに何か物足らなさを感じたに違いない。

 

 そんな時にバッハの音楽の真剣さに出会った。上記あとがきに記されているように余計なものがそぎ落とされた意志そのものと出会った気がする。何度も繰返し聴く毎に他の音楽にはない新しさを感じ出した比類ない音楽である。