無庵日録 (1006) 日本庭園の心 | 日々新面目あるへし

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 一、日々新面目あるへし

2023/11/23

 先日の新聞記事に「日本庭園が海外に500以上あり中に米西部オレゴン州ポートランド日本庭園は最も本格的と称されているとあった。この庭園は完成までオレゴン州は反日感情が強く造園建築士の平欣也氏が反対派住民に腹を刺される事件まであった。

 

 庭園完成前に地元住民向け見学会で半日の憎悪も和らげられた逸話がある。80代ぐらいの反日派の女性来訪者が娘に連れられて庭に入り2時間の見学後に穏やかな表情に変わっていた。女性は「戦争がようやく終わりました」と礼を述べたという。

 

 この記事を読み若い頃に京都や奈良の庭園を訪ねた頃を思いだした。京都洛北の圓通寺や正伝寺の庭園に心惹かれた、境内自体が庭園である浄瑠璃寺の佇まいが懐かしい。バスの車窓から眺めた寺院周囲の環境も実に美しかった。

 

 日本庭園は見るものでなく感じるものと述べられている。だが自分は心の持ち方として何も考えずただ向かい合うものと受けとめている。修学院離宮を訪ねた時、あの広大な天空を借景とした庭園に向かい合った自分の心を思い出す。