バッハと私(288) 若い人のバッハ観 | 日々新面目あるへし

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ブログを続ける指針に、会津八一の書「学規」に学びたい。
 一、この生を深く愛すへし
 一、かえりみて己を知るへし
 一、学藝を以って性を養うへし
 一、日々新面目あるへし

2016.1.21

 音楽の好きな若い友人が、何でバッハ以外の音楽を聴かな
いのですか、他にもいい音楽が沢山あるのに勿体無いではと
話しかける。

 私は勿体無いと云えば、むしろバッハの音楽を充分に聴か
ない方がよほど勿体無いと思っている、しかしそんなことは
言わない。

 この年代まで自分なりに多くの古典音楽を聴いてきた方で、
七十五歳ともなると寿命を意識して、気に入ったバッハだけ
を聴いている、バッハに行き着いたとも言わない。

 ただクラシック音楽を聴き込んでゆくと、バッハの音楽は
他の音楽に無いというより、決して追いつけないものがある
ことに気付くと、それを言いたい。

 なお付け加えるならバッハは、家庭や子供の存在がすべて
であった。バッハの音楽という仕事は、そういう生き方につ
ながっていると。