2016.1.21
音楽の好きな若い友人が、何でバッハ以外の音楽を聴かな
いのですか、他にもいい音楽が沢山あるのに勿体無いではと
話しかける。
私は勿体無いと云えば、むしろバッハの音楽を充分に聴か
ない方がよほど勿体無いと思っている、しかしそんなことは
言わない。
この年代まで自分なりに多くの古典音楽を聴いてきた方で、
七十五歳ともなると寿命を意識して、気に入ったバッハだけ
を聴いている、バッハに行き着いたとも言わない。
ただクラシック音楽を聴き込んでゆくと、バッハの音楽は
他の音楽に無いというより、決して追いつけないものがある
ことに気付くと、それを言いたい。
なお付け加えるならバッハは、家庭や子供の存在がすべて
であった。バッハの音楽という仕事は、そういう生き方につ
ながっていると。