かちかち山 タヌキさんからウサギさんへの手紙 | めむたんの絵本

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こんにちは!
いかがお過ごしでしょうか?

「かちかち山」というお話の登場人物であるタヌキさんとウサギさんの、それぞれの手紙を書き終わりました。
グロテスクな文章を考えるのは少ししんどい作業でした。
でも、完成できて良かったです。

それぞれの手紙を、今日と明日の2日に分けてお見せしたいと思います。
読んでくださったら、嬉しいです♡

今日は、タヌキさんからウサギさんへの手紙です。

ウサギさんへ
 ウサギさん、どうしてボクを殺したのですか?ボクがからかったのはおじいさんです。ウサギさんではありません。
 ウサギさんは、なんなのですか?警察でもないのに、どうしてボクにあんな仕打ちをしたのですか?
 もしかして、おじいさんとは友達だったのですか?
 だったら分かるでしょう。おじいさんの愚かさを。
 おじいさんは毎日畑で働くけれど、あんなやせた土地では作物は育ちません。だからボクは言ったのです。あっちの方に良い土地がありますよって。そこでならもっとたくさんの作物が育ちますよって。
 そうしたら、おじいさんはこう言ったのです。卑しいタヌキに何が分かる、あっちへ行けって。
 親切に教えてあげたのに、ボクに卑しいって言ったんだ。
 だからボクは仕返しをしたのです。
 おばあさんを殺したのだって、正当防衛です。あのまま縛られていたら、ボクは殺されてタヌキ汁にされていました。
 歌を歌ってからかっただけじゃないですか!それなのに、タヌキ汁にされて食べられてしまうなんて!からかっただけなのに!
 ウサギさん、ボクは悲しかった、つらかった。
 知っての通り、ボクには両親がおりません。家族は、一歳になったばかりの弟だけです。その弟は、ボクが殺されたことを知らないから、いつまでもボクの帰りを待っているでしょう。おなかを空かせて、心細い思いをしているでしょう。
 ウサギさん、お願いです。弟を助けてください。ご飯を食べさせてあげてください。そうしてくださったら、ボクはウサギさんを責めません。おとなしく天国へ行きます。
 ウサギさん、どうぞよろしくお願いします。