かちかち山 ウサギさんからタヌキさんへの手紙 | めむたんの絵本

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タイトルは、「きみといっしょに」、「あのもんのなかに」等です。

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こんにちは!
いかがお過ごしでしょうか?

今日は、ウサギさんからタヌキさんへの手紙を掲載します。
もし良かったら、読んでみてください♪

 タヌキさんへ
 タヌキさん、君はボクに殺されて、びっくりしたでしょう。だって、ボクたちは親友でしたものね。
ボクがどうして君を殺したのか。その理由を、教えてあげましょう。
二年前、二匹のウサギを、君はいじめて殺したでしょう?あれはボクの両親です。
どんなに悲しかったか、どんなにつらかったか、君には分からないでしょう。だって、あんなに働き者のおじいさんを、ひどくからかうことができるのだから。
あのおじいさんは、ボクの命の恩人です。君のせいで独りぼっちになってしまったボクに、ごはんを食べさせてくれた人なのです。
そして、ボクのために怒ってくれた人なのです。
 タヌキさん、ボクと友達になってから、おかしな事が起こるとは思いませんでしたか?例えば、木の実を食べたらひどい下痢になったり、崖のそばを歩いていたら岩が落ちてきたり。
 あれはみんな、おじいさんに教えてもらってボクがやったことなのです。
 おじいさんは、いつも言っていました。イジワルをする奴は最低だ、働かない奴も最低だって。
タヌキさん、君はどちらにも当てはまります。だからですよ。からかっただけで君がタヌキ汁にされそうになったのは。
 ついでですから、君をおばあさんと二人きりにした理由も教えてあげましょう。
 おばあさんは気のいい人でしたが、怠け者でした。つまり、おじいさんの嫌いな、働かない奴でした。
 君にひどくからかわれたとき、おじいさんは思ったそうです。タヌキにおばあさんを殺させようって。
 君は、おじいさんの予想通りおばあさんを殺しました。おじいさんは、泣くふりをしながら、しめしめと思ったそうです。これでやっかい者がいなくなったし、ボクが堂々とタヌキを殺せると思ったそうです。
 それからあとは、君の知っての通りです。
 ああ、せいせいした。両親の無念を晴らすことができた。
 これからは、おじいさんと楽しく生きていきます。死んでくれて、ありがとう。