アルバム『Feel Happy』の一考察 | カツサンドBOX

カツサンドBOX

これといって趣味がないのですが、ポップミュージック聞いたり、映画・ドラマ・舞台そしてAVまで、『いいな』と思うモノや人に『外野アルプススタンド的』感想文を書いてます。
(ブログ内容はちょくちょくマイチェンしております)

新年なので、久しぶりに敬愛するミュージシャン原田真二さんの事を書く事にした。しかも昭和ブームがモテモテが続いてる事から、それならコレだろうと。


 

 


真二さんの1stアルバム『Feel Happy』について書いてみようと思います。

 『Feel Happy』がタイムレスアルバムになった理由は何だったのだろう?


( アルプス外野スタンドのファンとしての僕はこう考える。年末から飲んでますからね、バリバリ酔っぱらってMAX😁 )


一つ目は、このアルバムはチームで作ったから。多くの人が関わったアルバムだから。


二つ目は真二さんの歌う大ヒットシングル『てぃーんず・ぶるーす』『キャンディ』『シャドー・ボクサー』『タイム・トラベル』の歌詞が多くの人達に共感を呼んだこと。


三つ目はロックをそれほど聞いてない人達にまでロックを幅広く広めたから。


『Feel Happy』は原田真二さんのデビューアルバムに沢山の一流スタジオミュージシャンが参加し完成させた傑作。まさに歌謡ポップス界に完成させた『東京タワー』なのである。


曲と編曲まで真二さんが完成させていたが、プロデューサーの吉田拓郎さんが別のミュージシャンにもアレンジをさせてみて、どちらがふさわしいか?カッコいいか?楽曲の世界観を立てられるか?等々のアイデアを出しあったのだろう。


これはビートルズで例えるなら、楽曲にプロデューサーのジョージマーチンがピアノやストリングスでアレンジのアイデアを追加するような事と一緒だ。


当時真二さんは、ギターをヘヴィーにしたロックサウンドしたかったと言っていたが(イベント『 原田真二マニアックス』にて)、吉田拓郎に「もっとおとなしいサウンドにしてくれ」と言われ、あのような音にしたというが、おとなしくしてアレだ。十分にロックなのだ。


(よければ『Feel Happy』をミニコンポ、アウトドア用のパーティースピーカー、ステレオ、ヘッドホンでヴォリュームを15~20程にして好きなナンバーを聞いてみて欲しい。

僕のお勧めは『スポーツ』『プラスティックドール』『シャドーボクサー』を聞いてみるとわかる。海外のハードロックグループの音ではないが、かなり色々な楽器を鳴らしていてタイトだ。因みにイヤホンは品物によってはシャリシャリ聞こえるのでわかりずらい。とにかくスピーカー、ラジカセ持ってたらそれに繋げてもいい)


日本ではPOPアルバムとして販売したが、洋楽の世界から見たら十分ロックアルバムだ。ミディアムテンポのメロディの作品が数曲あり、ポップ色が目立つが、これはロックアルバム。チーム原田真二として制作され時代を超えて愛されるタイムレスアルバムになった。


松本隆の作詞の存在が素晴らしいという人もいるがそれは少し違う。真二さんのやりたい事をさらに第三者的に捉え、テーマを青春の光と影・希望と挫折を多角的に表現したのだ。作詞家という裏方さんの一人だ。


山口百恵という歌手が数々のヒット曲を世の中に広めたが、山口百恵が宇崎竜童・阿木曜子作品を取り上げたとは言わない。

竜童夫妻は第二期山口百恵のプロジェクトメンバーだったのだ。

リスナーとしては、歌番組で冒頭に作詞 阿木曜子・作曲 宇崎竜童で知る程度だ。作詞を担当した松本隆さんについてもその程度だ。主役は原田真二の音楽の才能なのだ。


真二さんがデビューした当初は彼の音楽・声・ルックス・ロッカーとしての歌い方に夢中だった。ピアノでロックをやる。カッコいい。これだけだった。そして自然と耳に入ってくる歌詞にもっと原田真二を聞きたくなるという、ハッピーがハッピーを生み出す連鎖だった。


『Feel Happy』は多くの人に原田真二さんの才能を認知させたアルバムになり大成功したアルバムで、数々の最年少記録を更新したミュージシャンとなった。


だから僕はてっきりこのままロックスターへ登り詰めると思っていたがそうではなかった。

その後は徹底的なロックミュージシャンになって行く。


あまり知られてないのが残念だが、真二さんが制作した3rd・4thアルバムは日本ロックの金字塔と言っても過言ではない。

コレ↓3rdと4thアルバムが入った2枚組 CD & +α。興味がある方は是非。このアルバムは配信されてないんですよ。僕が契約してるAmazon music Unlimited には外されてるんですよね。アップルミュージックには有るのかな?ただ言っときますが、『Feel Happy』みたいに心が動かされるかどうかは保証しません。

 

僕は洋楽好きなのでこの2枚のアルバムを容易に受け入れられた。メロディラインの素晴らしさと超ド急のガリガリなロックを融合させた信じられないくらいクオリティの高いアルバムなのだ。何故これが世の中に浸透しなかったのかが不思議でならない。


でも思い返すと、僕は真二さんが出てきた時はレッド・ツェッペリン、マイケル・シェンカー・グループ、ピンク・フロイド、キンクス、ジミ・ヘンドリックス、エルトン・ジョン、エリック・クラプトン(クリームからデレク&ドミノス等何でも)もちろんアフタービートルズの四人、そして当時は新参者のクイーン等を聞いていたし、ラジオで全米トップ40も聞いてましたし、洋楽の免疫は完全に出来てました。

この辺をリスナーとして聞いてる人達にとっては真二さんの3rd・4thアルバムはロック好きにはたまらない2枚だ。


歌詞は社会的テーマが中心になった。サウンドは海外のロックの何らかわらない。

でも洋楽ロックをそれほど好きじゃない人にとっては苦痛かな?

それほど原田真二さんはロックをワールドワイドに追及していった。


『Feel Happy』は歌謡曲ファン・ニューミュージックファンまで取り込んだアルバムだけに、2ndアルバムからの音楽的成長と大衆との距離が離れたのは残念だと思う。


けどコロナのお陰で在宅が中心の生活時に昭和サウンドを聞く平成生まれの人達が音楽サブスクリプションやYouTubeで原田真二を知る事になる。そこでも中心になるのは『Feel Happy』であり、シングル『てぃーんず・ぶるーす』『キャンディ』『シャドー・ボクサー』『タイム・トラベル』だった。1stアルバムに4枚のシングルが取り上げられていた。


去年はドラマ『パリピ孔明』で「タイム・トラベル」を上白石萌歌ちゃんが歌った事で真二さんにスポットライトがあたった。やはり「タイム・トラベル」はクオリティの高い作品だ。そして誰もが受け入れられる作品なのだ。(因みに姉ちゃんの上白石萌音ちゃんはキャンディを歌っている)



もしかすると真二さんは社会的なテーマとした反戦や広島・長崎をテーマにするよりは、『Feel Happy』のような日常の断面とかラヴソングや失恋ソング、青春の光と影とか、そっちの方が上手いのではないか?歌詞も色んな方々とコラボレーションをしたり、矢沢永吉みたいに沢山の作詞家にコンペ方式で歌詞のオファーをするとか、注目のミュージシャンが居たらその人に歌詞をオファーしてもいい。再びチームとしてやる気は無いのだろうか?


僕自身は真二さんはロックスターに戻った方が良いのではないか?と正直思ってる。

何故なら真二さんは『世の中に残す歌』を作れる数少ないミュージシャンだから。他のロックグループやヴォーカリスト、演歌歌手まで幅広くカヴァーされる曲を作れる作曲家の一面も兼ね備えている。


だからこそ社会派よりは大衆的なヒットソングを作り、大きなホールやドームでLIVEを行うロックスターであって欲しいと思うのだ。


いつものファンも新しいファンも一緒になって騒ぎまくれるLIVEをやれる人なのだ。たまに趣味でコピーしまくったエルトン・ジョンやウイングスのカヴァーも取り上げて披露してもいいではないか?ミュージシャンとしての腕も素晴らしいのだから。


その方が真二さんが常日頃思っているLove & Peace を伝えやすいのではないか?とも思う。


例えば今の時代って老若男女とても『生きづらさ』を抱えている。

そんな状況が隣に有りつつも、自分達が社会に参加する時に何の職業に就こう?とか、何に成りたいとか、どこの学校を目指すとか、選択の自由が許される平和な国に私達は住んでいる。

でもほんの70年前はそんなことは許されなかった。


その普通の生活は何故成り立っているか?そこに真二さんの平和への思いを話せば良いのではないか?


今、普通に生活出来るのは、残念ながら戦争で亡くなった人達のお陰だ。また、現代において普通に生活出来ない人達が居るのは何故なのか?そこで少し足を止めて真二さんの『OUR SONG』を聞いて欲しい。

『OUR SONG』に答えがある。

特に生きづらさを感じてる人にとっては心へ訴えかけるメッセージである。


エンターテイメントと少しの社会的テーマで真二さんのやりたい事は十分伝わると思うのだ。

だからこその結論。


次世代の『Feel Happy』を作り続けて貰いたい。『Feel Happy』を越える『Feel Happy』が聞きたいと思う。そんなアルバムを作って貰いたい。歌詞を前傾姿勢で見て読んで感じるのではく、歌の方から心に飛び込んできて、誰もが歌いたいと思う作品を作って貰いたい。歌の方から心に飛び込んでくる歌……良くも悪くも昭和の歌は大衆の心に狙い打ちした曲が多いのだ。

原田真二というミュージシャンはそれが出来るミュージシャンなのだ


『Feel Happy』がタイムレスアルバムとして君臨しているのが何よりの証明だ。リアルタイムのファンはその当時に戻り力が沸いてくるし、原田真二を見つけた若い人達はその才能に衝撃を与えている。


それがロックの原田真二なのだ。

『Feel Happy』、名盤である。

僕を東京ドームに連れてってくれるのはポール・マッカートニーと原田真二しかいないのだ。


P.S

下に張ったアフィリエイトリンクは是非参考資料の一環として頂きたい。大ヒットシングルが網羅されているお得なアルバムに再編集されている。3rd・4th アルバムについても同様です。