久しぶりの六甲アイランド。
神戸ゆかりの美術館と神戸ファッション美術館で開催中の千住博(1958~)氏の個展を見に行きました。
展示物の数が少ない分質が高く、個展の内容は期待以上のものでした。
神戸ゆかりの美術館の展示は、高野山金剛峯寺に奉納する瀧図と断崖図。
これらの障壁画は、高野山開創1200年を迎えた2015年から約3年がかりで制作されたとの事。
総延長17mの断崖図と25mの瀧図が、室内を囲うように展示されていて、作品の前に立つと、あたかも高野山にいるかのような錯覚に陥ります。
断崖図の岩肌の亀裂は、しわくちゃにした和紙に絵の具を流して作ったもの。瀧図は、ブルーグレイを塗った和紙の上に水を流し、さらに白い絵の具を流して水の流れを表現。梯子に上って上から流したとは驚きでした。
神戸ファッション美術館の展示は、初期の作品と光のアート。
「龍神Ⅰ・Ⅱ」は、2015年のヴェネツィア・ビエンナーレで名誉賞を受賞した作品です。
明るい所では白い瀧ですが、
暗闇の中でブラックライトを当てると、青く輝き始めるという不思議な作品。
これは蛍光塗料を使ったために起こる現象で、昼から夜への変化を表現したとの事。夜の滝がとても幻想的でした。
「宙(1994)」など初期の作品は、東山魁夷(1908-99)の絵に似ています。どちらも東京芸大で日本画を学び、同じような題材を好んだためでしょう。
こちらは昼の桜で「三春の瀧桜(2013)」。夜の桜を描いた作品に、「朧月夜の瀧桜(2016)」があります。
「朝(1994)」をプリントしたチケットケースを買いました。前売券が溜まっているので、しばらく展覧会ネタが続きそうです。