神戸ビーフ館 | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 新神戸オリエンタルアベニュー3階の神戸ビーフ館に入りました。

 

 

 神戸肉流通推進協議会指定の店で、神戸ビーフ取扱店に置かれるモニュメントがあります。

 

 

 併設レストランは、赤身ステーキ60gで3,000円〜と神戸ビーフにしてはリーズナブル。

 

 

 ステーキに使われる部位は、肩ロース・リブロース・サーロイン・へレ・ランプが挙げられます。

 

 

 サーロインやロース系はジューシーで濃厚な味わい、へレやランプはさっぱりした食感。

 

 

   へレは1頭の牛から3%ほどしか取れない希少部位。赤身肉にランプが用いられるのは頷けます。



  ここに来て、神戸ビーフと但馬牛の違いがよく分かりました。

 

 

 神戸ビーフって何?という疑問から、1983(昭和58)年に発足した神戸肉流通推進協議会。

 

 

 神戸ビーフの定義を明確にし、定義にあった肉に「神戸肉之証」を発行し、神戸ビーフであることを証明する機関です。

 

 

   神戸ビーフのもとになるのは、純血の但馬牛。兵庫県北部の但馬地方に生育する牛で、狭い棚田での農作業や荷物の運搬に重用されてきたとか。

 

 

 但馬牛の優れた遺伝子を引き継ぐため、同じ特徴をもった家系内の牛同士を交配させ、雌牛の系統づくりを行ってきたとの事。

 

 

 その雌牛の集団のことを「蔓牛(つるうし)」といい、昭和初期には「あつた蔓・ふき蔓・よし蔓」という3つの系統が構成されました。

 

 

  1939(昭和14)年、兵庫県香美町で田尻号が誕生。あつた蔓と中土井号の血を引く純血の雄牛で、現在の黒毛和種の99.9%が田尻号の遺伝子を引き継いでいます。

 

 

 1897(明治30)年頃から各村役場で牛の台帳を管理するようになったらしく、台帳には牛一頭ごとに血統情報や生産者が記録されています。

 

 

 但馬牛の品質を競う品評会は毎年開催され、「兵庫県畜産共進会」で受賞した牛の背中には、その証として「ゆたん」が掛けられます。

  

 

  但馬牛の美味しさには科学的根拠があり、モノ不飽和脂肪酸の割合が、他県産の肉より高いためだと言われています。

 

 

  但馬牛のランクは、一頭の牛から取れる肉の割合と、霜降りの度合いなどで決まります。



   左3つが格付けの低い「但馬牛」

 

 

   こちら7個が一定の格付けをクリアした「神戸ビーフ」。脂の多い方が格が高いとは意外でした。