修学院離宮② | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 中離宮から松並木の道を歩き、分岐点に戻りました。今度は下離宮と反対方向に歩き、上離宮へ向かいます。離宮と離宮をつなぐ松並木の道に馬車が走ることもあったようです。

 

 上離宮の石垣には、大刈込(おおかりこみ)という日本庭園の技法が使われています。谷川をせき止めて造った浴龍池(よくりゅうち)の堤防を補強するために4段の石垣を設け、芝で覆って斜面に樹木を植えました。

 

 上離宮の石段の頂上に、隣雲亭(りんうんてい)があります。現存の隣雲亭は1824(文政7)年に再建したもので、浴龍池を眺めるために建てられました。

 

 一の間は6畳、二の間は3畳。一の間の北側には「洗詩台」と呼ばれる2坪(4畳大)の板間があります。洗詩台は南を除く三方を吹き放しにした開放的な空間で、吹き抜ける風の音や流れ落ちる滝の音を楽しむという風流な空間でした。

 

 眼下には浴龍池(よくりゅうち)が展開し、洛北の山々が見渡せます。

 

 左には洛中の街並みが広がり、その向こうには西山の峰々が望めます。

 

 浴龍池は御船遊びの場であり、島々を廻りながら、管弦や歌の会なども行われました。

 

 島の上に窮邃亭(きゅうすいてい)という茶室があります。創建当初から現存する唯一の建物で、扁額は後水尾上皇の直筆です。18畳と付属の水屋の一間から成り立つ簡素な建物です。

 

 島と島を結ぶ千歳橋。この橋は渡らず、橋の向こうの島を遠巻きに見ました。

 

 その島は万松塢(ばんしょうう)。日本庭園によく見られる蓬莱の島です。

 

 土橋を渡り、対岸に移りました。

 

 ここは舟着き場です。御船遊びの舟は、ここに泊められていました。

 

 西浜のほとりを歩きました。

 

 土橋→窮邃亭→千歳橋が見えます。紅葉が色づくともっと華やかな景色になりそうです。

 

 手前の島は万松塢。浴龍池は島の形を泳ぐ龍の姿に見立てたものだと言われています。

 

 西岸から見た大刈込は、段々畑のように見えました。

 

 石段を下り、上離宮を出ました。1時間20分で3kmの道を歩きましたが、見る物聞く物全てが初めてで、とても短く感じられました。

 

 上離宮の外で解散。ガイドさんの説明が流暢で素晴らしかったため、参観は拍手喝采で終わりました。