ゴールデンウィーク明けの9日(水)、垂水区にある多門寺に行きました。
この寺は、神戸のかきつばたの名所として知られています。
池を埋め尽くすように、かきつばたがびっしりと咲いていました。
本来池に浮かんでいるはずの蓬莱島も、満開のかきつばたに囲まれていました。
この池は草書体の心を形どった心字池。池のほとりには弁財天が祀られていました。
多門寺は、860(貞観2)年頃、最澄の弟子、慈覚大師円仁(794-864)により開基されました。
境内には約3000株のかきつばたが植えられていて、円仁が中国から持ち帰ったのが始まりだと言われています。
現在の本堂は1712(正徳2)年に再建されたものです。本堂には秘仏の毘沙門天の他、日光菩薩立像と月光菩薩立像が祀られています。
多門寺は神戸十三仏第10番霊場で、霊場巡りには阿弥陀如来坐像が指定されています。
不動堂から遥聲(ようせい)が聞こえてきました。グレゴリオ聖歌と天台声明(しょうみょう)を折衷した宗教音楽で、とてももの悲しい調べでした。