神戸の壁 | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 野島断層保存館の隣に、「神戸の壁」があります。高さ7.3m、幅13.5m、厚さ23cm、重さ68トン。とても大きな壁なので、移設工事は10個のブロックに分けて行ったそうです。

 

 「神戸の壁」は、1927年(昭和2年)頃、神戸市長田区若松市場の防火壁として建てられました。第2次世界大戦中の神戸大空襲や阪神・淡路大震災で、周囲の建物が倒壊、全焼する中、この壁だけはその姿をとどめました。

 阪神・淡路大震災から1ヶ月後にリメンバー神戸プロジェクトが立ち上がり、「震災の体験と教訓を忘れない」を指針に活動を始めます。4年間の保存運動の結果、「神戸の壁」は淡路市旧津名町しづかホール隣接地に移設。2008年(平成20年)に北淡震災記念公園へ移設されました。

 

 1999年(平成11年)の移設工事で、「神戸の壁」に1927年の建設当時、左官が書いたと思われる隠れ文字が発見されました。文字は「西や東 モタレ カケテ 南クル人 北ガル」 東西南北の語呂合わせを使って、市場の繁栄を祈ったものだとされています。

 

 今年は震災から23年。1月8日(月)には、23人が十字架のような影を投影し、神戸の壁に鎮魂の想いを刻みました。