UCCコーヒー博物館(栽培) | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 コーヒーの木が育つ環境は、雨期と乾季がはっきりとしていて、年間の平均気温が23度前後の場所です。1年の平均雨量は1600mm程度が望ましく、肥えた弱酸性の土壌でよく育ちます。

 また、コーヒーの木は山の斜面に植えられるため、栽培はほとんど人の手で行われます。

 

 種をまいてから6~9ヶ月後に丈夫な苗を選んで農園へ植え替えます。背の高い木の陰に植えて温度や湿度を保ち、定期的に肥料を与え、落ち葉を敷き詰めて土を肥やします。さらに、余分な芽を間引き、刈り込みを行って質の良い木に育てます。

 

 種をまいてから3~5年で成木になりますが、大きいもので3m以上と低木です。雨期になると、白くてジャスミンのような甘い香りがする花をつけます。花はわずか3日でしぼむそうです。

 

 花が咲いてから8ヶ月ほどで実が熟します。始めは緑色だった実が徐々に黄色くなり、熟すと赤くなります。見た目がさくらんぼと似ていることから「コーヒーチェリー」と呼ばれています。

 熟した赤い実だけを選んで収穫し、年数が経ったコーヒーの木は、根元の近くで一度幹を切り、再び新芽から育てます。

 

 コーヒーの実は、薄い膜に覆われた赤い果肉、固い皮と薄い膜に覆われた緑の種で出来ています。

 

 コーヒーの生豆は薄い緑色で、焙煎することにより茶色になります。1本のコーヒーの木から実が3kg、生豆が500g、焙煎豆がわずか400gほどで、約40杯のコーヒーしか作れません。コーヒー豆は大きく分けて2種類。6割がアラビカ種で、4割がカネフォラ種です。

 

 アラビカ種はエチオピア原産で、水はけの良い弱酸性の土壌が適しています。標高約700~1800mの比較的高地で涼しい所で栽培されます。病虫害にかかりやすいため、細やかな手入れが必要です。

 カネフォラ種はビクトリア湖周辺から西アフリカ原産で、低地で湿度の高い土地が適しています。低酸性の土壌でも栽培可能です。病虫害にも強い種で、「ロブスタ(丈夫な)種」とも呼ばれています。

 

 おいしいコーヒーの源は質の良い木にあり。資料や映像から、農園の人達が丹精を込めて栽培している様子が伝わってきました。