先日の続き。
六甲ケーブル山上駅から徒歩20分。記念碑台に到着。青空の下に大きな彫刻がありました。
その彫刻は、田羅義史(1994-)氏が、弁天岩の伝説をもとに作った「岩の空」。その伝説は雨乞いにまつわるもので、日照り続きの時、村人が海から鮫を捕まえてきて、その血を岩に振りかけるとたちまち雨が降ったというもの。
太古に絶滅した巨大な鮫の背びれをモチーフに制作。作品は通常白色ですが、紫外線が当たると鮮やかな青色に変色。鑑賞者が光を遮ると、その部分だけ白色に戻るとか。
もう一つは「山と肋骨」。作者の小林夏音(2001-)氏は、もともと骨に興味があり、この作品も動物の骨格がモチーフになっています。
日の光を受けると影を伸ばして陰影に変化が生まれ、その影を道と捉えられるといったもの。時間を変えて鑑賞すると、作品の面白さが分かるかも。
次の会場は、六甲山サイレンスリゾート。昭和4年(1929)六甲山ホテルとして開館。昨年(2019)7月にリニューアルオープンしたホテルです。
アーカイブギャラリーには、改築に携わったイタリア人建築家、ミケーレ・デ・ルッキがデザインした作品や建築物の写真、旧六甲山ホテル時代の写真の展示がありました。
ロビーの奥に、髙橋生也(1991-)氏のアニメーション作品があります。
「郵便配達夫の夢」や「Night Drinking Bar」など、アニメーション作品が順に再生されました。
字幕が英語で分かりづらいのが残念。登場人物が日本人だったら雰囲気が出なかったのでしょうか?
ショップの奥には、中村萌(1988-)氏の作品があります。
作品名は「Grow in silence」。展覧台の作品は平面彫刻でしたが、こちらは立体彫刻。
立体彫刻の方が作品の雰囲気が出ています。
トトロに似た謎の動物。
気のせいか人形の顔が作者に似ているような。
有料会場にも彼女の作品がありました。
うつろで曖昧な表情により、動植物と同化した人物を描きたかったそう。
トトロの森にいる妖精を連想させる作品です。
次は、内田望(1987-)氏の作品群で「いきもののかたち」。
金属を金づちでたたいて形を作る「鍛金(たんきん)」の技法を用いた彫刻作品。
私のお気に入りは、ラッパを背負った鶏の彫刻。
リスの彫刻が人気で、写真を撮るために行列に並びました。
クジラの彫刻は、日没後ライトアップされそう。
食虫植物の彫刻は、六甲高山植物園の特別展を意識したものでしょうか?
最後は久松知子(1991-)氏の作品で、「われわれの生きるこの世界」。
ファンタスティックでアニメの世界のよう。イメージの歪みをテーマにしたとか。
若々しい感性が存分に発揮された作品です。
有料会場で15%オフのお食事券をもらいましたが、カフェは満席。どちらにしろ、一人で入るには高すぎます。
いつもは近寄りがたいリゾートホテルですが、この日はアートを鑑賞する人で賑わっていました。
今日はここまで。次に続きます