六甲ミーツ・アート2020② | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

先日の続き。

 

 六甲ケーブル山上駅から徒歩20分。記念碑台に到着。青空の下に大きな彫刻がありました。

 

 

 その彫刻は、田羅義史(1994-)氏が、弁天岩の伝説をもとに作った「岩の空」。その伝説は雨乞いにまつわるもので、日照り続きの時、村人が海から鮫を捕まえてきて、その血を岩に振りかけるとたちまち雨が降ったというもの。

 

 

 太古に絶滅した巨大な鮫の背びれをモチーフに制作。作品は通常白色ですが、紫外線が当たると鮮やかな青色に変色。鑑賞者が光を遮ると、その部分だけ白色に戻るとか。

 

 

 もう一つは「山と肋骨」。作者の小林夏音(2001-)氏は、もともと骨に興味があり、この作品も動物の骨格がモチーフになっています。

 

 

 日の光を受けると影を伸ばして陰影に変化が生まれ、その影を道と捉えられるといったもの。時間を変えて鑑賞すると、作品の面白さが分かるかも。

 

 

 次の会場は、六甲山サイレンスリゾート。昭和4年(1929)六甲山ホテルとして開館。昨年(2019)7月にリニューアルオープンしたホテルです。

 

 

 アーカイブギャラリーには、改築に携わったイタリア人建築家、ミケーレ・デ・ルッキがデザインした作品や建築物の写真、旧六甲山ホテル時代の写真の展示がありました。

 

 

 ロビーの奥に、髙橋生也(1991-)氏のアニメーション作品があります。

 

 

 「郵便配達夫の夢」や「Night Drinking Bar」など、アニメーション作品が順に再生されました。

 

 

 字幕が英語で分かりづらいのが残念。登場人物が日本人だったら雰囲気が出なかったのでしょうか?

 

 

 ショップの奥には、中村萌(1988-)氏の作品があります。

 

 

 作品名はGrow in silence」。展覧台の作品は平面彫刻でしたが、こちらは立体彫刻。

 

 

 立体彫刻の方が作品の雰囲気が出ています。

 

 

 トトロに似た謎の動物。

 

 

 気のせいか人形の顔が作者に似ているような。

 

 

 有料会場にも彼女の作品がありました。

 

 

 うつろで曖昧な表情により、動植物と同化した人物を描きたかったそう。

 

 

 トトロの森にいる妖精を連想させる作品です。

 

 

 次は、内田望(1987-)氏の作品群で「いきもののかたち」。

 

 

 金属を金づちでたたいて形を作る「鍛金(たんきん)」の技法を用いた彫刻作品。

 

 

 私のお気に入りは、ラッパを背負った鶏の彫刻。

 

 

 リスの彫刻が人気で、写真を撮るために行列に並びました。

 

 

 クジラの彫刻は、日没後ライトアップされそう。

 

 

 食虫植物の彫刻は、六甲高山植物園の特別展を意識したものでしょうか?

 

 

 最後は久松知子(1991-)氏の作品で、「われわれの生きるこの世界」。

 

 

 ファンタスティックでアニメの世界のよう。イメージの歪みをテーマにしたとか。

 

 

 若々しい感性が存分に発揮された作品です。

 

 

 有料会場で15%オフのお食事券をもらいましたが、カフェは満席。どちらにしろ、一人で入るには高すぎます。

 

 

 いつもは近寄りがたいリゾートホテルですが、この日はアートを鑑賞する人で賑わっていました。

 

 

 今日はここまで。次に続きますバイバイ