キンシ正宗(新常盤蔵) | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 濠川を渡りました。川のほとりに酒蔵らしき建物があり、とても風情があります。と思ったのですが! この建物はスーパーでした。

濠川

 

 大黒寺から次の目的地へ向かう途中、キンシ正宗の工場に立ち寄りました。1995年に第2みどり蔵を閉場して建てた新常磐蔵です。

 歴史をさかのぼると、1906年に常磐蔵を開設。1930年にみどり蔵竣工。鉄筋コンクリート造冷房完備の醸造蔵は画期的でした。

キンシ正宗工場

 

 創業は1781年。松屋久兵衛が中京区で酒造業を始めました。1936年に業務の拡大に伴い「株式会社堀野久造商店」に改組。1946年に「株式会社堀野商店」に、1991年に「キンシ正宗株式会社」に社名を変更。創業の地は1995年から「堀野記念館」として公開されています。なお、堀野記念館の記事は2016年7月19日に投稿しています。

 

 伏見へ進出したのは、名水を求めたためで、1880年には伏見で醸造を始めました。

 写真はキンシ正宗の工場敷地内にある井戸です。地下105mの深さから常に同じ水量をためる井戸水という意味を込めて「常盤井水」と命名されたそうです。

 

 キンシ正宗を商標登録したのは1896年。1913年に大蔵省醸造試験所主催全国清酒品評会で全国第1位の授賞を得て、大正天皇陛下に献上しました。 

 1928年に昭和天皇御大典奉祝記念として「酒の中酒大吟造キンシ正宗」1.8リットル瓶詰を発売。一般酒が一升1円50銭の当時、一升5円の最高級酒として話題を集めたそうです。

 1977年に業界に先駆けて紙パック酒を商品化し、日本酒の容器革命のパイオニアと評価されました。1991年にキンシ正宗のブランドスローガンが「京仕込」に決まりました。

キンシ正宗販売所

 

 堀野記念館でキンシ正宗を試飲した時、灘酒と比べて、まろやかな舌触りでほんのりと甘く、お酒の香りが薄いな、と思いました。このことから京仕込=薄味だと認識しています。