海の遊歩道を歩きました。カンブリア紀へタイムスリップします。
地球に海ができたのは約40億年前。アンモニアやメタンなどの無機質が、雷のエネルギーによってアミノ酸や核酸などの大きな物質に変化し、海に溜まっていき、生命の源になるタンパク質になりました。
タンパク質からRNAやDNAが生じ、細胞膜に包まれ、最初の生命・バクテリア(細菌)が生まれました。細菌は様々な種類に分化し、光合成をする細菌が誕生しました。藍藻(らんそう)です。藍藻は光合成によって地球に酸素を供給していきました。
一方、酸素を使って何倍ものエネルギー物質を効率的に作る細胞も生まれました。好気(こうき)細菌です。その一部は別の細菌に侵入、共生し、ミトコンドリアになりました。
ミトコンドリアは細菌のエネルギー効率を格段に上げ、散らばっていた遺伝子を核に詰め込み、効率良く使えるようにしました。殻をもった原生動物、有孔(ゆうこう)虫の誕生です。
約10億年前、単細胞生物から多細胞生物が誕生しました。海綿(かいめん)動物も多細胞生物うちの一つです。スポンジ状の体には水の通り道がたくさんあり、そこから水と一緒にプランクトンやバクテリア、有機物などを取り込んで食べています。
~刺胞(しほう)動物~
ゴムボールの一部を凹ませて口を作り、口の周りに触手が出来て刺胞動物が誕生しました。岩にくっつけばイソギンチャク、体で骨を守ればサンゴ、泳ぎ回ればクラゲになります。
口にエサを取り込み、消化するようになると、効率良く栄養を得ることができます。口と肛門が同じ生物は、口からうんちを出します。
クラゲはイソギンチャクの様な「ポリプ」と呼ばれる固着形態から分裂して泳ぐ力を獲得した生物です。しかし、サカサクラゲのように遊泳を止めて、再び海底に降りて体内に褐虫藻を共生させて栄養を摂るクラゲもいます。
~脊索(せきさく)動物~
体の軸となる脊索を作り、神経を守ることで、脊索動物は俊敏な動きが可能になりました。ホヤのように、幼生の時だけ泳ぎ、残りの一生は岩などに固着して過ごす生物もいます。
刺胞動物には、海綿動物には無い組織・器官の分化が見られます。口や消化管だけでなく、原始的な感覚器や筋細胞もあります。中枢神経は無いが、初めて網目状の神経系を持ちました。八放(はっぽう)サンゴは移動せず、流れてくる小さなエサを口の周りにある触手で捕まえて食べます。
八放サンゴの仲間で唯一移動能力を持ち、気に入った場所で砂に刺さって生きるウミエラ、ウミサボテン。このような刺胞動物には原始的な感覚器や筋細胞が見られます。
~棘皮(きょくひ)動物~
棘皮動物は、体が5つに区分けされました。何本もの触手が生えたように見えるテヅルモヅルも、元を辿れば5本の腕が無数に枝分かれしたのです。
棘皮動物は体の表面を無数の骨片で作られた殻で覆い、大きくて頑丈な体になりました。
しかし、素早い動きが出来ず、水中の細かいエサを集めるには不向きです。
そこで体の中に器官を作り、それを殻の外まで伸ばしました。管足です。柔らかく自由に動かせる管足に流れていくエサを引っ掛け、どんどん口に運べるようになりました。
下側に付いた口でエサを取るのがウニ、管足を潰したのがヒトデ、体を横に倒して伸ばしたのがナマコです。
~軟体動物~
軟体動物は背面にある外套膜から炭酸カルシウムを分泌し、殻を作りました。巻いた殻を持つ巻貝は腹足(ふくそく)を発達させました。一方、砂に潜る二枚貝は移動能力をほぼ失い、必要ない頭部を退化させました。
タコはより活発に動こうと神経系を発達させ、邪魔な殻を捨てて、ふにゃふにゃに戻りました。8本の腕と体の形を自由に操り、あらゆる隙間に潜り込みます。
カンブリア紀末に現れたオウムガイは、固い殻で身を守り、優れた移動能力を持ちます。
オウムガイから分化したアンモナイト類が現れるまで、当時の海を支配しました。
~節足動物~
海中の豊富なカルシウムを取り込んで作った殻で、全身を覆ったのがエビなどの節足動物です。軽くて丈夫な外骨格を活かして、あらゆる環境に進出し、生物の中で最も多様に分化しました。
カニは暮らし方に応じてハサミを様々な形に変えました。
カブトガニは、古生代に現生種に近いものが誕生してから、形や暮らし方をほとんど変えることなく生き残りました。
既に20時を過ぎていましたが、親子連れが多くて賑やかでした。親が子供の興味惹こうとあの手この手で誘導していましたが、興味の無い子は全然で、足早に立ち去る子、あくびをしている子、不気味な生き物を見て泣く子もいました。
子供の教育に、と思う親心も分かりますが、こんな時間帯にこんな場所へ8歳にも満たない子を連れて行くのはどうかと思いました。