妙心寺(退蔵院) | 散策日記Ⅰ

散策日記Ⅰ

美術館&博物館で開催された展覧会の記録、それにまつわる散策記です。

 4月5日(木) 今春3回目の京都散策。今回はJR花園駅で下車し、駅に一番近い妙心寺に行きました。

 

 花園天皇が1337年に離宮を改めて禅寺にし、大徳寺の開山大燈国師の法嗣・関山慧玄(せきやまえげん)を招いたのが、妙心寺の始まりです。

 

 妙心寺はとても広く、46の塔頭があります。今回はしだれ桜が美しい退蔵院に入りました。退蔵院は、1395年、越前の豪族・波多野重道(はたのしげみち)が創建し、妙心寺三世・無因禅師を開祖に迎えました。

 

 方丈は応仁の乱後、1597年に再建されました。江戸時代には宮本武蔵もここに住んで修行に励んだと伝えられています。

 

 如拙が描いた瓢鮎図(ひょうねんず)は、日本最古の水墨画で国宝です。「小さな瓢箪で大きなナマズをどうやって捕らえるか?」という問題に対して、五山の高僧31人の回答が絵の上に添えられています。

 「瓢箪鯰(ひょうたんなまず)」とは、瓢箪でナマズを押さえるように、労多くて功無く、到底その目的を果たせないという意味。「それは無理です。」という回答は許されたのでしょうか?修行のため許されなかったのでしょうか?難しいところです。

 

 元信(もとのぶ)の庭は、室町時代の画家、狩野元信が作庭した枯山水庭園です。

 

 余香苑(よこうえん)に入った瞬間、目の前に立ちはざかる満開のしだれ桜。これはインパクトが強烈でした。余香苑は造園家・中根金作(1917-1995)によって設計され、1965年に完成した庭園です。

 

 こちらが陰の庭。

 

 こちらが陽の庭。敷砂の色が異なる2つの庭は、物事や人の心の二面性を表わしているとか。

 

 余香苑の池は国宝「瓢鮎図」にちなんで、瓢箪の形をしています。

 

 庭園はとても広く、入口で見た桜がとても小さく見えました。ここから見た眺めが一番いいです。

 

 苑内に茶室や売店があります。確か退蔵院限定のお饅頭もあったはずです。ここでお土産を買えば良かった、と後で悔やみました。

 

 茶室のそばにある水琴窟。耳を澄ませばかすかに琴のような音が聞こえました。かなり集中しないと至れない、侘び・寂びの境地です。