エレベーター事件。 | あんなこと。こんなこと。

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家族でお出かけした、その帰り。

マンション地下の駐車場に車をとめて
エレベーターに乗りこんだところで

ああ、そうだ!と、だんなくん。
1階のボタンを押しながら

「今日荷物が届いているはずだから
 取りに行ってくるね、先に行ってて」
(留守中の宅配便は管理人さんが預かってくれるのです)

と言って、するりと1階で降りていきました。

ハーイ、と手を振るわたしたち。

そして

1階でエレベーターを待っていた40代くらいのおじさまが
にこにことむすめたちに手を振りながら

「よおし、じゃあパパ交代だねー。」

と言って、だんなくんと入れ替わりに乗ってきたのです。

同じマンションに住んでいるようですが
初めて見るかた(そこそこ戸数の多いマンションなんです)。

むすめたちよりすこし大きなお子様がいるのかな…?
わたしに寄り添う、ちいさなふたりを見て目を細め

「おうおう、かわいいねえ!…3歳と、4歳かな?」

「ふふふ。2歳と、4歳です」

「そうかあ、いいねえ」

ふたりの頭を交互にわしゃわしゃなでてから
おっと着いた、じゃあねお先に、と手を振って降りていきました。

むすめ子はかろうじて手を振り返していたけれど
ふたりともむずかしい顔をして、一言も話さないまま。

部屋のある階についてエレベーターを降りたとたん
ふたりが重なるように抱きついてきて

寅子がわたしを見上げて、泣きそうな顔で

「ねえ、パパはとーちゃんがいい!!」

そうかあ、パパ交代って言ってたもんね。
かわいいなあ。
しゃがんで、ふたりをぎゅっと抱きしめて
かわいいあまりにちょっといじわるしたくなって

「これからパパはあのおじさんなのかな、とーちゃん帰ってくるかな…?」

と言ってみたら(ヒドイ)
寅子がさらにぷるぷるして
「いやー!とーちゃんは○○○○がいいー!」と
最近覚えたばかりのとーちゃんのフルネームを絶叫。

そして、ずっとへの字口で黙っていたむすめ子は
「だいじょうぶだよ、とーちゃんすぐ帰ってくるよ」
と言って、寅子とわたしの頭をなでてくれました。おお、姉!


だけどこんなときに運悪く、家の鍵を持っていなかったわたし。


エレベーターの前でくっついて
次は来るかな、きっと来るよと3人で待つけれど

だんなくんはなかなかやってこない。

いろいろ重なるもんで、だんなくんはついでにふらりと、
マンション向かいのコンビニまで行ってしまったのでした(笑)。


しょんぼりしちゃった寅子を見ながら

いつもかーちゃんかーちゃん!と言って
わたしにばかりくっついてくる寅子なのに
やっぱりとーちゃんはとーちゃんがよくて
とーちゃんがだいすきなんだなあ、と嬉しく思い

しょんぼりしながらも、意外に気丈なむすめ子の
ずいぶん「姉」らしい姿には、じーんと感動。

ふたりにはちょっとした事件だったけれど
意外な姿を見せてもらって、かーちゃんご満悦。

むすめ子がよしよしとなぐさめてくれるのが嬉しくて
かーちゃん、ついつい何度もしょんぼり顔をしちゃいました。
ごめんね。ありがとう。