社会人基礎力では12の要素としての資質を挙げていますが、この12項目以外にも必要じゃないかと思える要素がいくつかありますので、「12の要素以外で必要なモノ」と考えられる要素について書いています。今回はその2回目で、「責任感」を挙げました。仕事をするのですから利益を上げるという前提があるはずです。仕事の内容によっては部署単独では利益を上げることの難しい場合もあるかとは思いますが、全体として考えればすべての仕事が何らかの形で利益につながりますので、その仕事に責任が伴います。「責任感はあって当たり前、持って当たり前」、昔ならともかく、今では随分考え方も変わってきています。この辺りを考えてみようと思います。
責任感って、何でしょうか。この言葉を社会人に必要な要素の一つとして挙げていた文章の中では、「責任感とは、当事者意識をもって行動していくこと」、このような事が書かれていたと記憶しています。どこまで自分事として捉える事が出来るか、大きなポイントになりそうです。
一般論として「責任感」とは何を意味するのか考えてみると、(けっこう表面的な解釈になりますが)「責任感とは、自身の役割や任務を最後までやり遂げようとする意識」ということになるようです。自分の役割りを全うするといった意味ですね。
個人的な印象になりますが、「責任感」という言葉を使った時は、その人が仕事などに取り組む姿勢や意識といった面を強調した表現だと感じます。それに対して「役割りを全うする」といった表現の場合は、どんなことがあっても成果や結果を出すという、行為の面と覚悟の意味が含まれているように感じます。これが「責任感」ではなく「責任を果たす」に表現が変わると、必ず何らかの結果を出すという周囲の期待と本人の意思を含めた意味になるんじゃないか、そう思うんです。あくまで、個人的な考えですよ。
いずれにしても、自分事として捉える事が出来なければ、責任をもって仕事に取り組んでいるとは見えそうには無いと思います。それじゃ、責任感が強い人ってどんな人なんでしょうか。こんな特徴を上げる事が出来るそうです。
まず、最後までやり遂げるという姿勢がある事でしょう。結果を必要としない仕事はありませんので、途中で放り出さずに最後まで取り組んで、目標に辿り着く事が必要です。困難な問題が起きたとしても、周囲の人に相談したり協力を求めたりしても構わないんじゃないでしょうか。むしろ、仕事を途中で勝手に諦めて放り出す事の方が問題です。
勝手に仕事を放棄するということは、自分の仕事であるという意識に欠けているということになりませんか。12の要素の中にあったように、仕事に(限らないと思いますが)主体性をもって取り組む、自分から動くという姿勢や気持ちが大切です。誰か任せで済まそうとするなら、その人でなくても構わないという事になりますから。
また、主体性をもって自分から動くのであれば、それに関わる種々の雑用的な業務や必要な打ち合わせなどの会議にも参加する必要が出て来ます。その際に、他の参加者に負担や迷惑をかける事は慎まなければなりません。その最たるものが「時間を守る事」でしょう。時間にルーズな人は多くの場面で「自分勝手な人」というような評価をされていませんか。ミーティングの開始時間に遅刻しない事、時間を大切に考えるならそれを守る事も必要です。それが締め切りを守るという姿勢にも通じますし、約束事を守るという事にもつながります。そして、そんな姿勢が評価されれば、周囲の人や取引先からの信頼にもつながっていくんじゃないでしょうか。
責任感のある人は、仕事に関わるトラブルが起きても「逃げる」姿勢は見せないと思います。「責任逃れ」をする人の事、信用できると思いますか。誰かのせいにして自分は悪くないと開き直る人、信用できますか。誰かのせいでこうなったと主張するなら、その人を連れてこいと思いませんか。どのような理由にせよ、ミスやトラブルは解決しなければなりませんが、解決すればよいというものでもありません。その時の姿勢も周囲の人は見ています。その姿勢に対しての評価も、その人への信頼の度合いに関わってくるでしょう。責任の転嫁をせず、誠意のある解決を目指すことが何よりも大切ですね。
責任感って、じつはその人の普段の態度に見え隠れしているようです。その根本が当事者意識じゃないでしょうか。
ただ、責任感にデメリットが無いわけではありません。この点は知っておいて損は無いと思います。たとえば、仕事を自分で抱え込んでしまう傾向がみられる人がいれば、それがストレスになっている人もいます。デメリットも併せて書きますので、参考にしてみていただければと思います。
責任感があるのは良いことなのですが、これが強くなりすぎるとデメリットに変わってしまいます。心身の不調を引き起こす事が出て来るかもしれません。さらには「責任感のはき違え」があったとすれば、大きなトラブルを引き起こすリスクにもなりかねませんね。 具体的に書いていきます。
責任感として当事者意識を持つあまり、完璧主義に陥ってしまうと融通の利かない人物になるかもしれません。特に、こだわりが過ぎると細かい部分まで気になるものです。そして必要以上に時間がかかるかもしれません。また、ルールに固執して柔軟な対応が難しく感じたりすることも出て来るでしょう。
そうなると、仕事を全部自分で抱え込みたがるようになります。その結果、チームで行う仕事にも関わらず、その中で孤立してしまうかもしれません。これでは、「他人に頼るのが苦手」では済まなくなります。結果を出すためには、チームの連携は不可欠ですよね。
ですから、ある程度の自責の念は必要でしょうが、必要以上に持つ必要はありません。物事がうまくいかない時も出て来ると思いますが、すべてが自分の責任だと感じてしまう必要はありません。過度な自責の念にかられるのではなく、冷静に分析をしてトラブルを解決する事に注力しませんか。
そうしないと、どうしても自分の視野が狭くなりがちです。自分が頑張っていればいるほど、周囲の人は何をしているんだという苛立ちに変わるかもしれません。それが周囲の人へのプレッシャーになるとどうなるでしょうか。特に、自分と同じレベルの厳しさを周囲にも求めてしまっては、人間関係がギクシャクしてしまい、円滑なコミュニケーションも難しくなります。
それが引いては心身への負担にもなっていきます。「すべてを自分がやらなければならない」という思い込みは不要です、チームで仕事をするのですから。過度なストレスは心身の不調となって表われて来ます。
適度に周囲を頼って、コミュニケーションの量を増やして、報告や相談の頻度を増やすようにすれば、このデメリットを軽減できそうですよ。


