今回は「錯覚」について取り上げようと思います。錯覚と聞くと「勘違い」というような言葉を思い浮かべる人が多いと思いますが、錯覚が必ずしも悪いわけではないと思っています。今回は錯覚もうまく利用して自分に役立てる事は出来ないかという観点で考えてみることにします。
錯覚って、結構よくヤラカス失敗の一つじゃないかと思いますが、皆さんはどうでしょうか。錯覚は聞こえた音声や見えた物などの対象をそのものとしてではなくて別のモノに認識してしまう事を指します。そのため、その後の反応や言動が本来とは違った物になってしまう可能性が出て来ます。それで「勘違い」が起きるわけですね。
そんな失敗も、笑って済む程度の他愛もない軽い失敗の場合もあれば、いろいろな人や団体に迷惑をかけてしまったり事故に繋がったりするような大きな失敗の場合もあるでしょう。そんな大事にでもなってしまうと、錯覚をした当人は悔やんでも悔やみきれないでしょうね、なぜあの時にもっとしっかりと確かめておかなかったのか等と自分を責め続けるかもしれません。
ただ、今回は錯覚を如何に利用して役立てるかをテーマにしようと思っていますので、やや自分本位に物事を捉えるきらいも出て来るんじゃないかと思います。
錯覚は事物の捉え方が本来の事物と違った物として受け止めたことによりますが、それによって勘違いが生じることになります。また、受け止めたその人自身のこだわりの強さなどによっては、訂正が難しい事もあるでしょう。一般的に、勘違いを指摘された場合は素直に「間違った」として訂正をすればよいのですが、中には意地になって訂正を拒む人もいます。また、思い込みが激しい人の場合では、自分は絶対に錯覚などしないと最初から決めてかかっている場合があるようです。こんな人の場合も同様に、訂正は難しいでしょう。
結局のところ、元の錯覚がなぜ起きたのかを考えてみると、そのように見えたとか聞こえたとか、そのような理由に行き着くんじゃないでしょうか。視覚や聴覚の問題というよりも、感じて受け止めたそれを解釈する「脳」の問題なんじゃないかと思います。脳が誤ってそのように捉えたというのであれば、自分で錯覚だった事に気付くか誰かに指摘してもらうまで訂正は出来そうにありませんね。
これを自分に役立てようという事になるとなんとも難しそうな話ですが、じつを言うと意外なほど身近なところで毎日のように錯覚に出会っているんです。例えば手品の場合がそうですね。観客を視覚的に、あるいは心理的に錯覚するように誘導していくので皆それにつられてしまいますが、じつは別のところに仕掛けておいたタネを使って観客の期待を裏切って楽しませるというものですね。
手品の場合は錯覚や思い込みなどの心理的なテクニックを上手く使って、自分の手品の芸を成功させるわけですが、心理的な錯覚と言う事で言えば広告関連の記事や表現などが該当すると思います。
たとえば、数字を用いることで具体的な表現をしようとするときに、その単位を操作して数値を大きくするといった表現は、まさに錯覚を利用している例でしょう。量で表すなら0.5グラムも500ミリグラムも同じ量ですが、用いる数値が多い500ミリグラムと表現した方が多いように感じる人が多いと思います。広さを表現するなら〇〇ヘクタールと数字を使うよりも東京ドーム〇個分の方がイメージがしやすいでしょう。何かを表現する時に身近なものを用いて比較することで、イメージとして想像しやすくしているんですね。といっても、じつは比較に使った身近なものの正確な量や大きさなどのサイズをどこまで皆が把握しているかとなると、こちらもイメージのようですが・・・。
インターネットで錯覚について調べていたところ、面白い記事を見つけました。クッキーを食べている人にチョコレートの映像を一緒に見せて、しかもチョコレートの匂いをかがせながらにすると、食べているクッキーにチョコレートの味を感じる例が多いのだそうです。また、手に持っている食物が大きく見えたり小さく見えたりする違いを作って見せると、もとのサイズは同じであったとしても、少し食べただけで満腹になったり、いつもよりたくさん食べられたりするという実験結果の記載もありました。記事によると、これをうまく利用すればダイエットにも効果が期待できるんじゃないかとの記載までありました。
では、自分事で考えてみるとどんなことをすれば自分が有利になるかを考えてみたいと思います。誰かと比較して有利になろうと思えば、錯覚を生じさせるよりも、相手を追い越すだけの努力の方が必要になりますね。ですが、有利かどうかは別としても、今以上に自分に自信をつける方法ならあるかもしれません。根拠はあまり重要視しないことになりますが・・・。
例えば何かの下調べをしてプレゼンテーションに臨むような場合、自分がその当事者だったとすれば誰だって緊張するでしょう。成功させたいと思うでしょうし、少なくとも失敗だけは避けたいと思うんじゃないでしょうか。当然ですが、何度も練習して準備を整えて本番に臨む事と思いますが、それでも不安を完全に消すことは難しいかもしれません。
それじゃ、どうするかですね。たとえば 事前に下調べをしてまとめ上げたら、追加情報なども含めて清書することが多いと思います。そのうえで、本番でトチらないようにひたすら何度も繰り返して読む練習をすると思いますが、その時にどのようなところに注意して読む練習をするでしょうか。手書きにせよプリントしたものにせよ、本番では手元に何かの資料を用意する事にもなるでしょう。多くの場合で、それが清書したものになります。
私の場合、その原稿をただ読み上げるのではなくて、話し言葉としてふさわしいか、書き言葉のような堅苦しい表現になっていないか、あるいはこの言葉使いで言わんとすることが伝わりそうか、内容の続き具合と言葉としての接続詞が上手く合っているかなど、加えてタイムコースなども一緒にチェックします。当然、書き込みが何か所にも及びます。書き込むときはインクの色を黒にせず、青か緑にしているのですが、本番ではたくさんの書き込みをしたものを使うようにしています。その書き込みが事前に準備を頑張ったことの証拠ですし、それだけ準備したのだから大丈夫という自信に繋がるので、そのままの状態で本番に臨むことにしているわけです。
これも、錯覚と言えば錯覚でしょう。ですが、本番で失敗しなければ良いのですから、持ち込む資料が多少グズグズで書き込みが多くても、問題は無いと思います。
こんな錯覚の使い方も、有っていいんじゃないでしょうか。


