最近は数回にわたって「やりたいこと」に関わるお話を書いていますが、今回は「やりがい」について考えてみたいと思います。「やりがい」って、自分は何がやりたいのかを考えるうえでの重要なポイントになりますよね。「やりがい」は「やりたいこと」を選ぶうえでの最終ゴールと言ってもよいでしょう。目指すものがあるとすれば、きっと「やりがい」に落ち着くんじゃないかと思っています。とは言っても、目指したいものであると同時に、実際に「やりたいこと」をやってみないと分からないモノでもあるんじゃないかとも思っています。
私も含めて、けっこう多くの人が「やりがい」という目に見えない「思いのようなモノ」に振り回されているようにも感じるのですが、どうでしょうか。ただ、「やりがい」と言葉で表現すれば簡単ですが、実際には各自が思っている内容は違っているようですね。その違いはきっと、その人が持つ価値観が大きく関わっているんだと思います。
辞書で調べてみると、「やりがい」とは、「物事を行う際に得られる手応え、充足感、達成感、そして価値のこと」となっていました。自分が行っている行為によって得られる満足感といったところでしょうか。このコメントから考えるとあくまで自分の感覚であって、他の誰かと共有するものではなさそうです。このコメントの中に「価値」という言葉がありますね。
コメントは続けて、「特に仕事においては、自分の行動が人の役に立っている、あるいは成長や報酬(お金や評価)につながっていると感じられる状態を指す」と書かれていました。このことから、「やりがい」は個人的に感じる満足感ではあるものの、周囲に対して貢献出来ているか、そのことで周囲から評価されているかといった視点、さらには自分自身が仕事を通して成長できているかといったところまで及ぶ、客観的で冷静な目で自分を捉えようとする姿勢があるようですね。少なくとも、独りよがりなモノではないようです。
続けてコメントの方は、「困難な状況でも目的意識を持って取り組める『内なる動力』とも表現される」という言葉で締めくくっていました。自分が前向きな気持ちで取り組む、その原動力のような存在ということでしょう。
このような感覚であれば、だれだって欲しい思うでしょうね。その気持ちや行動が空回りになったり周囲の人との間に摩擦が生じないように注意すれば、「やりがい」を求めるのはとても良いことだと思います。ただ、この「やりがい」を強く求める結果、「何をやりたいのか」「何をすればよいのか」が分からなくなるケースもたくさん出て来そうに感じます。
例えば、まだ自分は何も動いていない、これから動き出そうという時に、最初から「やりがい」を求めていませんか。「やりがい」がどんなものか、どういった感覚になるか、何をすればそう感じる事が出来るか、どの辺りまで頑張ったら得られるのか、そんな事を一切経験がない状態で求めて考えているとすれば、これはちょっと危ない話かもしれません。その人はいったいどのような「やりがい」を考えているのでしょうか。満足感のイメージだけで具体的に「やりがい」にまで至る行動については何も考えていないのかもしれません。何をするか、何がしたいかを考える前に、先に結果や報酬の予想をして「自分は何をしようか、選ぼうか」と考えているのでしょう。もしもそうなら、これは順序が逆だと思いますが、どうでしょうか。
「やりがい」は仕事にせよ趣味にせよ、行動しているうちに芽生えて来るんじゃないかな。「何に取り組んだかの行動」ではなくて「どう取り組んだかの姿勢や気持ち」の方が「やりがい」を手にする上で大事な事ではないでしょうか。「やりがい」は後からついてくるものだと思うので、最初から期待するものではありません。行動を起こす前に達成感を得る事は出来ませんから。
「やりがい」に限らず、「やりたいことが何なのか」が分からないという人は多いようですね。それだけ慎重に自分の事を考えるのは良いことですが、慎重になるあまり動けなくなるとすれば、それは本末転倒です。自分のことが分からなくなって「自分探し」に熱中するする人もいますが、自分の内面の事ですから外を探しても見つけることは難しいんじゃないかと思います。それよりも、自分の内面を振返ってみて「何をしている時に自分は没頭しているか」を考えた方が早いと思います。
「やりがい」って、自分が主体性をもって取り組んだ仕事などに対しての充実感や達成感、そして自分自身がその仕事を通して成長したという実感、またその仕事が組織への貢献になったり顧客から感謝されたりしたこと、それに対して評価された事などの一連の出来事によって得られる実感だと思います。
ひょっとしたら「やりがいが分からない」と言う人がいたとすれば、本当は「分からない」のではなくて「見つけられない」のかもしれません。実際に、やりがいが見つからないと言う人の原因を探っていくと、その多くは「自分がどうなりたいか、なりたい姿がハッキリとしていない(目標の不在)」や「仕事や趣味を通して自分が成長を遂げている、進歩向上の途にあると感じる事が出来ない(成長実感の欠如)」、または「自分は何がしたいのか、何が好きで何が嫌いなのかが分からない(自己理解の不足)」といった理由に行き着くようです。
そんな時は、とにかく行動してみましょう。と言っても、闇雲に動くわけにはいきませんから、まずは「何をしている時に心地よいか」といったことからでよいので、「自分は何が好きか、何を大事にしたいか」など価値観を整理してみませんか。そして、小さくて構いませんので何か新しい挑戦をしてみるのはどうでしょう。あるいは他の誰か友人知人などに相談してみるという方法もあります。こうすることで新たな視点が得られる事になると思いますので、こんな体験から「やりがい」を見出せる可能性も出て来ます。
あなたはどんなことを大事にしていますか、価値観を考えてみませんか。
