126、頭を冷やす | サポートライター みけ の独り言

サポートライター みけ の独り言

電子書籍のはなし、文章のはなし、ことばのはなし、書く事、話すこと、ゆめのたねで喋っていることなど、言葉にまつわるいろいろなことを中心に、書いてみたいと思っています。

 

頭寒足熱の事ではありません。文字そのままで「冷静になる」といった意味で出しました。別に風邪を引いたという話ではありませんし、養生訓を出すつもりもありません。文章の事を話題にしているのですから、書きあがったら、あるいは一区切りついた時などに、ちょっと一息入れて興奮を冷まして、冷静に自分が書いた文章を観察してみようという話です。

文章を書いている時って、最初に設計図(構成の案)を考えたうえで書き始めていたとしても、書いているうちに次第に興奮してきませんか。別に悪いことではないのですが、興奮してくると自分の視野が狭くなったりして、今書いている文章の事しか頭の中にない状態になりがちです。そうすると、前後の繋がりがおかしくなっていたり、同じ言葉や内容を何度も書いていたりしてしまうことって、結構な頻度で起きて来ます。

そんな文章を「書けた、出来た」と思って出してしまったら、読む方は「何だこりゃ?」となってしまいます。そうならないように、一度冷静になって見直そうという訳ですね。

具体的な方法は人によって違うかもしれませんが、いったん自分が書いた文章から離れる、自分の気持ちの中から書いた文章を一度追い出してみる、そんな事をする人が多いんじゃないかと思います。落ち着くといった意味合いになるかもしれませんね。なぜそんなことをするかというと、自分自身が冷静になるためですって、最初に戻ってしまいましたね。

冷静になるというと少し違うという人がいるかもしれませんが、客観的な判断ができる状態にして、自分が書いた文章を振り返ってみるということが大事なんです。

そのための方法として、先に「自分の気持ちの中から書いた文章を一度追い出してみる」といった表現をしました。他にも「離れる」とか「距離を置く」とか、そんな表現をする人もいます。私は「一度忘れる」という方法を推したいと思います、つまりは同じことなんですが・・・。

「一度忘れる」といっても良いですし、「距離を置く」といっても良いのですが、とにかく頭の中の興奮を冷まして、落ち着かなければなりません。その具体的な方法として、時間をおくというやり方があります。ちょっと一休みして、全く異なる事をしてみるというのもよいでしょう。休む暇なんか無いよという人ならば、違う仕事をしてみるとか、別の分野の本を読むとか、誰かと打ち合わせをするとか、とにかく別の事をして、自分が書いた文章に関わらないようにしてみればいいんじゃないでしょうか。

時間をおくといっても、五分程度ではなかなか効果は出ないと思います。せめて数時間、他の仕事に取り組んで一区切りできるくらいの時間は必要じゃないかと考えます。一晩寝かせるという方法もあるでしょう。

冷静に、客観的に自分が書いた文章に接することが出来るようになった時点で、改めてその文章を読んでみると、「えっ!」といった印象を受けるかのしれません。私も「書いていた時はまともな文章だと思っていたんだけど・・・」ということを何度も経験しています。もし、このまま出していたらと思うと、我ながら顔が青くなったり赤くなったりしているんじゃないでしょうか。

自分のアラをみつけて修正していく作業は、いかに冷静に行なえるかにかかっています。もし協力してもらえる人がいるなら、その人に頼んでチェックしてもらうという方法もあるでしょう。その人に、声に出して読み上げてもらうことも、可能ならお願いしてみてもいいと思います。誰もいなければ、自分で声に出して読んでみるのでも、ずいぶん違った印象になりますよ。