今回取り上げるテーマは「データリテラシー」としました。このリテラシーという言葉、最近よく目にしませんか。いろいろな所で出てくる言葉で、最近ではすべての社会人にとっての教養とまで言われているようですね。
先ず、リテラシーという言葉の意味ですが、これは本来「読み書きの能力(識字能力)」を指す言葉だそうです。読み書きはすべての基礎になりますので、「読み書きの基本的な事やルールを知っていて、自分でも自由に読み書きができる状況」まで含むと考えられます。
そのリテラシーが、現代では「特定の分野に関する情報を正しく理解し、判断し、活用する能力」を指すように変化しています。これは単に知識を持っているだけで不十分です。一言で言えば、その特定の分野でちゃんとした仕事ができる能力を持っているということになります。
そして、リテラシーの前に付く〇〇〇が特定の分野になります。今回はデータリテラシーですから、データの分析や解釈、活用まで出来ることが求められるという意味になります。
データリテラシーを発揮するためにはいくつかの力量が必要です。なぜなら、単にデータを集計するだけでなく、そのデータが何を示しているかの本質を見抜き、ビジネスや日常の意思決定、問題解決に役立てる「力」を発揮しなければなりませんから。
この力量について考えてみます。調べてみると、いくつかあるようですね。例えば、データを基に正しい現状認識を行うための「データを読む力」が無いと何もできません。そのためには「データを集める力」が必要ですし、それをツール等で整理したり分析したりする「データを扱う、分析する力」が必要です。さらには、分析した結果に基づいて論理的な意思決定を行うための「データを活用する力」、それを他者に伝えて人を巻き込むための「データを伝える」なども必要になります。もう少し詳しく見ていきます。
1、「データを集める力」
先ずはここから始まります。データが無ければ何も分析できません。とはいっても、どんなデータが必要なのかが分かっていないと、要らないデータや集めやすいモノばかりになるかもしれません。
そのデータも、これから集めなければならないのか、既にあるモノを転用すればよいのか、そういった事も考えなければなりません。また、アンケートなどであれば適切な質問をしないと、苦労多くして役に立たないデータになってしまいます。適切なデータを集めるためには目的が明確になっていることが必要です。目的の設定はデータを集める上で重要なポイントです。
既存のデータを用いる場合は、それがどこに有るか、誰がいつ調べたデータか、その対象はどんな人か、どこで調べたデータかなどを知ったうえでの活用が必須です。また、その当時はどんな目的でそのデータを集めたのかも押さえておきたい点です。
2. データを読む力(理解力、読解力)
多くの場合、集めたデータは数字や言葉の羅列になっているでしょうから、これを整理しなければなりません。どのようなデータが何件あるか、最初は集めたデータの山を整理して、どのような分布になっているか、どういったバラつきになっているか等を知るところから始まります。
それらを整えてグラフや表の形になって、初めて分析できる状態になります。これは本来の目的である「何を知りたくて集めたデータか」に基づいてまとめ上げて、初めてその内容を正しく理解する事が出来ます。そのためにも、データの背景や意味するところを考えたうえで、平均値、中央値、バラつきなどの統計的な基礎知識を基に、データの意味を正しく捉える事が必要です。
3. データを分析する力
ここまでの段階で整って表現されたデータから、目的に応じて状況を読み解いていく力です。適切な手法を用いてデータの比較であったり、時系列分析であったり、あるいは数字の意味を考えるための要因分解などの手法を用いて分析する能力が求められます。単に数字を見るだけでは不十分です。データ同士の変化の様子から相関の関係があるのかや、因果関係があるのか等に注意して見ていくことで、意味のある情報を導き出します。そのためには、グラフの目盛りを工夫したり加工したりして分析しやすくする力も必要になります。
4、「データを活用する力」
ここまでの業務がキチンと出来て、初めてこの先の本来の目的にアプローチする事が出来るようになります。本来の目的とは、良い状況になるように施策をする事のはずです(この表現はイマイチかもしれませんが)。状況が芳しくなければ好転するように持っていかなければなりませんし、問題点が見つかったのであれば改善しなければなりません。そのポイントが分かれば、その部分に工夫を加えることで解決に至る可能性も出て来ます。
また、顧客などへのアンケートなどで要望を知る事が出来れば、次の一手をどのようにすればよいかの判断材料になるかもしれません。今に比べてもっと良くなるようにする、そのためにも、仮説を立てていろいろと検証することも大切です。分析で得た結果やヒントを生かして効率よく動くためには、この分析や仮説は重要になります。
5. データを伝える力(説得力)
今度は、立てた仮説に基づいた内容を意思決定者に分かりやすく伝える能力が必要になります。もちろん、ここで都合の良い所だけを伝えるのはいけません。
データに基づいて立てた仮説や実施のシミュレーションなども示しながら、「なぜその行動をとるべきか」を論理的に説明出来なければなりません。もしも仮説の中に不都合な部分があるようなら、それについての対策なども立てておかなければなりませんので、出来るだけ想定される問題にも対応するための準備も伝える内容に盛り込んでおく必要があるでしょう。そのうえで根拠のある意思決定を促すことができれば、ビジネスに直接的な価値をもたらすことに繋がります。
あと、補足として「データを応用する力」を加えた能力で解説されることもあるようです。
また、これらのスキルを鍛える方法として、統計学を学ぶことで「データを読む力」を養う事が出来ます。平均値、中央値、相関などを学ぶことによって、分析するうえでの数字の意味や扱い、背景についての理解が深まります。
また、各種の分析ツールで「分析力」を養うという方法もあります。例えば「BIツール」や「Googleアナリティクス」を活用するという方法ですね。
もう一つ、実践的なものとして、データサイエンティスト検定で「知識」を養うという方法があります。この学びを通してビジネス、データサイエンス、エンジニアリングなどの基礎を学ぶ事が出来ます。
こういった手段も活用していてはいかがでしょうか。


