冷凍和菓子で国内最大手の岩手阿部製粉(岩手県花巻市、阿部明社長)はクッキーなどの洋風焼き菓子を強化する。東日本大震災後、東北産品の「応援消費」などによる受注好調を受け、専用工場を今春新設した。雑穀など和菓子材料を使った洋風焼き菓子で新規顧客を開拓し、主力の和菓子分野との相乗効果に期待する。
新工場は延べ床面積約660平方メートルで1億円を投じた。「穀」の名称で展開するクッキーを主に製造する。ヒエ、キビ、アワなど岩手県産の原材料使用にこだわった約10種類がある。このほか、黒豆ときな粉を使ったプリンやフィナンシェなども製造する。
花巻空港やJR盛岡駅の土産物店、「芽吹き屋」の名称で展開する直営店などで取り扱う。工場新設や販路開拓などで、洋風焼き菓子が2012年8月期の売上高に占める割合は1割弱の見通し。15年8月期に2割、3億円の売上高を目指す。
昨年の震災では、小売業への配送網が寸断され、生活に欠かせない主食や水などの供給が優先された。主力商品の冷凍和菓子は停電などにより被害を受けた。このため常温保存のできる洋風焼き菓子への投資に踏み切ることにした。
和菓子の主力購買層は40代~70代で、今後、若年層への訴求が求められる。「祖父母や両親が買ってきた和菓子を食べる若者もおり、潜在的な需要は掘り起こせる」(阿部社長)とみている。主力の和菓子と合わせて、食べやすい洋風焼き菓子から若者を取り込み、和菓子も売り込む考えだ。
岩手阿部製粉は大福、団子などの冷凍和菓子で国内最大手。冷凍和菓子をスーパーや生協、商社などに出荷しているほか、岩手と東京で直営店を展開している。12年8月期の売上高は前期比19%増の約13億円の見込み。
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