どんなに辛いことがあろうが
朝はやってくるのだ。
溢れでる涙を止めて
腫れ上がった瞼のまま
私は駅のホームにいた。
人は少なく、ガランとしている。
地下鉄の空気がやけに冷たく感じ
この世のすべてが私に優しくないのだ。と思った。
あれほど泣いたというのに
気づけばまた私の頬を流れ落ちる。
本当は大声で泣いてしまいたかった。
けれど、どれほど心が乱れても
私の理性はしっかりと働き、私に待ったをかける。
これでいい。これでいいのだ。
素直になることをはき違えてはいけない。
私は私を保たなければいけない。
感情のままに泣きじゃくるのは大人になった私では見苦しいだけだ。
眠そうに気だるげにサラリーマンが新聞を開く。
カサッと紙のすれる音がなんだか温かい。
その音を背後に聞きながら
私はまた涙を流す。
誰も知らない。
すれ違う人も、毎朝顔を合わせる売店のおばちゃんも
私の涙の理由など誰も知らない。
誰にも知られずに私は泣く。
誰にも気付かれないようにうつむいて泣く。
始発が私を迎えにくる。
甘えを忘れた私を乗せて
進め。進め。