不当な民族差別を許すさない 山口県民として声を上げ続けたい | ニッコリ会・下関

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ニッコリ会・下関は
「日本とコリアを結ぶ会・下関」
の略
【目的】
日本と朝鮮半島の和解と
平和を求める活動

山口県庁に人権対策室というのがある。環境生活部人権対策室というのが正式の名称のようだ。

88日、山口朝鮮学校の補助金の復活を求めて行政との話し合いがあり、それに参加した時のこと。

人権対策室の副室長とかいう人のいうにはそこの業務は人権推進指針をつくること。個別の人権問題は男女共同参画の課とか、子どもの人権は子ども教育課とか所管の課が個別に取り扱っていると。

民族教育の所管はどこか?との問いに、16種の社会問題に入っていないという。

「民族教育を入れないのか?民族教育を受ける権利は人権ではないのか?」

との問いに、「県そのものはその見解を述べる立場ではない」という。

しかし「同和問題はあっても在日コリアン問題はないのか」と尋ねると「外国人問題」としてあるという。

在日コリアンの人権問題は在日外国人一般の人権と一緒にされているのだった。

その歴史性は明らかに違う(戦前には日本国籍とされ、戦後その国籍は剥奪され外国人として差別されるに至っている)にもかかわらず、最近来日した外国人の問題と一緒にされている。

また県の人権推進指針には在日コリアンのことが全く記載されていないという、民族教育に15年間補助金を出して来ておりながら、出さなくなって5年間が過ぎてしまったが、このような民族教育を受ける権利を侵害しているのに県の人権施策推進審議会(年に12回開催)でもまったく審議すらされていないことも、議事録を読んだ人の追及があり、明らかにされた。

いったい私たちがこの間、県庁玄関前で毎月座り込みをし、申し入れを繰り返しているにもかかわらず、県がいかにそれを無視をしているかが明らかになった。

在日から「私たちは県民ですか?」と怒りの質問が飛んだ。

県は二言目には人権尊重を言いながら、在日の人権推進というのはないようだ。

あらためて「山口県政には民族教育を担当する部署はないのか?」と質問が出た。

答えに窮す県職員。

「民族教育は人権ではないのか!?」

「朝鮮人を差別しても良いという根源はあなたたち公権力による差別である。差別を受けたことのないあなたたちには分からない!」

「朝鮮学校補助金はかつて県が助成してくれた。県民としての平等からいえば、われわれの税金が県に投入されながら私たちの民族教育に投入されていない。他県ではちゃんと補助しているところもある。知事に伝えよ。国連の人権情報もしっかり受け止めてくれ」等、在日の訴えが続いた。

当初、所管が違うとか、国が決めることだとか言っていた職員たちも、最後には民族教育が人権であることを認めざるを得なかった。

また次回の山口県人権施策推進審議会に朝鮮学校補助金問題を議題とするように申し入れることにした。

朝鮮学校補助金復活を求める申し入れ書の宛先はこれまでずっと県知事と県教育委員会であったが、回答では学事文書課長名等、担当課長名が使われており、知事にまで回付していないということになる問題もある。いかに在日の人権問題を軽視しているかが分かる。

県民である在日コリアンの人権を無視している山口県の姿勢が明らかになった。

こんなことで人権の守れる山口県がつくれるはずがない。在日コリアンの民族教育の権利を守り推進する山口県政にすべきである。既にそれは世界の人権水準を高める国連人権委員理事会の日本政府への勧告として出ている。

過去の自国の侵略の歴史も、戦後の差別の歴史も知らず、知ろうともしない県の行政の姿であった。

国連の人権諸機関による是正勧告をも無視する日本、それに追随する山口県における在日コリアンの民族学校差別は山口県民が意識しようとしまいとそういう差別行政をゆるしていることになる。このような差別を許さない取組みにぜひ山口県民に参加をしてほしい。自分は差別する側に立ちたくないと思う方のご参加を歓迎します。

 

写真は山口県庁玄関にて。