こんにちは。川村です。
Mさんの、日本傳空手道 唯真流の個人指導の様子をご紹介します。
今回のテーマは、脱力とアイソメトリック収縮、弓の原理です。
空手だけでなく、日本武道全てに通じる、身体構造を巧みに活かした動きを磨きました。
Mさんは、フィジカルの差を覆す空手を目指して、唯真流空手黒帯として、修行の日々を送られています。
最初は、脱力とアイソメトリック収縮からです。
まず、空手に必要な脱力は、予備脱力です。
動く前に、体をできるだけ脱力しておくことで、技の速さと強さへの、抵抗を減らすんです。
さらに、脱力することで動くということも、極めて重要です。
関節にはロック機構がないので、止まっているとしたら、それは筋力でやっているんです。
ピンアン二段の歩法、縦セイシャン立ちからの歩み足が、絶好の練習課題になります。
脱力によって関節のロックを外し、重さに引っ張られて、体が動き出すようにします。
「ああ〜!身体が、勝手に飛び出しますね!」
立っている人間は、下り坂に下向きに駐車された車と同じで、サイドブレーキを外せば動き出すんですね。
アイソメトリック収縮は、肘を動かさない、静止したままの拳立てで、感覚を身につけることができます。
「ああ、握り込まない感じですね!(自分の掌を突く)あっ、全然こっちのほうが痛いですね!」
さりげなく、がんばらず、関節を動かさないで、高負荷に耐えることで、感覚を掴むんですね。
弓の原理は、伸張反射を利用し、弓で矢を放つように、がんばらずに、技の速さと強さを実現します。
順突きで、テレフォンパンチにならないタメの作り方として、稽古することができます。
ビッグミットを突くと、拳や手首に手応えなく、相手を吹っ飛ばすことができます。
「はあ〜!確かに、力を抜くことで動いてますよね!以前は、全然違うことをやってましたね!」
弓を引き絞っていた手を離すように、脱力によって、拳や手首を痛めず、強打を可能にします。
「自分を、より苦しいほうへ追い込むほどいいんだという、旧態依然とした考えは、本当に改めなくちゃいけないですね!」
空手の技は、楽な状態からがんばることで出すのではなく、不自然な状態から元に戻る働きで出すんです。
そのために、あえて不自然な状態を作り、そのとき使った力を抜くことで、体を解放してあげるんです。
そのときに、動かすべきところ以外は、力まずに、姿勢を保っておくことがポイントです。
普段から、姿勢を保ちながらリラックスしておくと、アイソメトリック収縮を覚えやすいですよ。
去る3月21日に開催した、唯真流空手・合気啓真道 1日セミナーにたくさんのご参加をいただき、ありがとうございました!