半世紀(爆!)の間、美味しいものも辛いものも噛んでくれていた大切な乳歯。
歯医者さんに行くたびに指摘されてきました。
永久歯が下に無い場合、押し上げる歯が無いため、乳歯のままの方がたまにいるそうです。
もうこの際、自然に抜けるまでは、大切に使おうと
あまり硬いものは、乳歯にあたらないようにしたりして
とても気遣って物を食べていました。
今年の年明け早々、歯肉炎になり、あまりの痛さに今まで行ったことのない歯科医院に行きました。
私が痛みを持っていたのは、上の歯茎。
乳歯があるのは、下の奥歯です。
その歯科医師は、上の歯肉炎の処置をしたあと、
いとも簡単に、「乳歯がまだあるんですね。もう、ぐらぐらしているし、インプラントの方がいいので抜きましょう。今どき、これは無いよなぁ。」と言い始め、
私が、ちょっと待って!という間もなく、
乳歯の部分を機械ではじきました。
きっと、ほんの少し残っていた根のひとつが抜けたのか、
ものすごい痛みがあり、
「痛い!やめてください。私は、この歯は自然に抜けるまでこのままにしたいので、この歯は処置しないでください。」と言いました。
あまりに、大きな声で「痛い!」と言ったので驚いたようで
「では、歯肉炎のくすりを出すだけにします。」と言って
その後、一言も話しかけることなく、奥の方へ入っていきました。
受付の人も、たんたんと薬の説明とお金のやりとりだけ。
もう、痛いし、乳歯が今まで以上にぐらつき始めて、言いようのない気持ちでその歯科医院をでました。
それから痛みは増してきて、
やはり、堪えられなくなり、「もう、知らない歯医者さんはいやだ!」と反省して、
5年前に治療してもらって対応がすごく良かった歯科医院に予約をしました。
やはり、受付の段階から丁寧にしてくださり、少し予約の時間を過ぎると
カウンターから出てきて「少しお時間が過ぎてしまいまして、申し訳ございません。前の方の処置にもう5分かかるということなので、ご迷惑をおかけします。」と説明してくださいました。
その後、名前を呼ばれて、椅子に座ると
「状況を教えてください。」とまず、私の状態を聴いてくれました。
乳歯がぐらついて痛いことを伝えると少し口の中を確認して
「確かにこれは痛いでしょうし、根もほとんど無いようです。どうすることを希望されますか」と聴いてくれました。
それからも、抜いた後の処置のバリエーションをいくつか説明していただき
費用の面、耐用年数の面、多方面からアドバイスをしてくださって
最終的には、私の希望どおりの処置をしていただけることになりました。
「下から永久歯が生えてこない場合、今どき、インプラントが常識だと、言われました。」と
言うと、
「もちろん、それも選択肢のひとつです。でも、
温品さんが、頭痛があって、脳神経外科でMRIやCTを取って、これからもその検査をする可能性があると言っていたから、今ではなく、そういういろんなことが落ち着いてから、
相談した方がいいと思いました。
だって、温品さん、心配事があるの、いやでしょ。それに事前に自分でいろいろ調べて納得してからでないとやりたくないタイプじゃないですか。じっくりインプラントのこと、パソコンで調べてみてくださいね。」と、にこにこしながら言ってくださいました。
お見通し!でした。
患者の希望を聴き、
患者の状況や、タイプに合わせた提案をして
納得してから治療をする。
もしかしたら、専門家である歯科医師が考えると遠回しの治療でも
患者にとって、一番よい治療を実施する。
とても満足感でいっぱいでした。
納得した私は、観念して
半世紀を共にした、「乳歯ちゃん」をその先生の手で抜歯していいただきました。
終わった後、歯科衛生士の方が
「長い間、お疲れ様でしたの気持ちを込めて、可愛いシールを張った入れ物に抜歯した乳歯を入れております。お持ち帰りください。」と、
可愛いパッケージを渡してくださいました。
良くチーム医療と言いますが、
受付・医師・歯科衛生士全てがお客様満足をテーマに治療をしてくださると
居心地が良く、ここで治療したいという気持ちを呼び起こすのだと
自分が患者の立場になって改めて感じた出来事でした。
